いものやま。

雑多な知識の寄せ集め

『lain, anonymous insight note』と参考文献の紹介。

f:id:yamaimo0625:20190918075457j:plain

第二回技術書同人誌博覧会で頒布した新刊『lain, anonymous insight note』(以下、『lainノート』)と、その参考文献を紹介したい。


これはヲレの話を聞け〜! 技術の薄い本、著者からのオススメ Advent Calendar 2019 - Adventarの24日目の記事です。
今更感があるけど(^^;

lainノート』について

昨今、話題になることが多い人工知能
この『lainノート』は、そういった人工知能(技術)に対して、「自分たちが本当に欲しかったものって、それなの?」という疑問をぶつけ、アニメ『serial experiments lain』(以下、『lain』)を通して、自分たちが本当に欲しかったものは何なのかを知るための哲学的な話題、疑問を提供している。

人工知能のための哲学塾』の著者、三宅陽一郎先生も主張する通り、人工知能の研究は「科学」「工学」「哲学」の交わるところに存在するので、挙げた参考文献もいろんな分野に渡っている:

  • lain』関連
    • visual experiments lain
    • scenario experiments lain the series
  • 哲学関連
    • てつがくフレンズ 女の子の姿になった哲学者たちの哲学学園
    • ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。
    • 哲学散歩道 身体から眺めた世界
  • 数学、技術関連
  • 人工知能関連
  • その他

これらの本(やアニメ)も非常に面白いので、ぜひ読んで(見て)もらいたい。

なぜ哲学?

その前に、そもそもなぜ哲学なのかについて。

哲学っていうと、なんかよく分からない概念を屁理屈つけてこねくり回してて、何の役にも立たない印象があるわけだけど(そして、残念ながらそれはかなり正しいんだけど)、エンジニアにとってはまったく役に立たないわけではない。

問題解決って、実は2つのフェーズが必要。

  1. 問題を見つける
  2. 問題を解く

そして、技術というのは2.をするためのものなので、これだと問題解決の半分しかできていない。
では、1.をするためのものがなにかというと、それが哲学になる。

哲学とは何かという定義は難しいんだけど、「当たり前と思っていたことに、実は問題が隠れていたことを見つける」という側面が哲学にはある。
(そして、可能ならその問題を解決するような新しい思考の枠組みを提供する)

「問題を見つける」のが哲学、「見つけられた問題を解く」のが科学と考えてもいいかもしれない。
(もちろん、名を残すようなすごい人はその両方を行っている;哲学者は問題を見つけた上でそれに対する自身の回答(思想)を与えているし、科学者は新しい問題を自ら見つけて新しい分野を切り開いてる)

なので、哲学が役に立たないように見えるのは、問題を見つけることには成功するんだけど、悲しいかな、その問題を解決するだけの能力が足りてないことが多いから。
2.の能力が備わってないと、こうなる。

一方、「顧客が本当に欲しかったもの」というギャグが示す通り、1.の能力が足りてないと、問題が正しく捉えられていないから、出来上がったものは残念なものにしかならない。
正しく作られてるけど妥当ではない、というのは、残念ながらよくあること。

もちろん、哲学の内容がそのまま役に立つことは少ないけど、哲学を学ぶことで「なんでこの人はこれを問題と考えているんだろう?」と否応なしで考えさせられるので(それくらい「当たり前すぎること」を哲学者は不思議がる)、1.の能力を高めるのにオススメ。

あと、今まで考えたこともなかったようなことを考えられるので、純粋に楽しいというのもあるw

lain』関連

さて、ここからは参考文献の紹介。

serial experiments lain

まずは『lain』から。

1998年に放送されたアニメで、インターネットの普及もこれからという時代に、ネットワーク世界が現実世界に浸食してくるという衝撃的な内容を描き出している。
放映から20年以上経った今見ても全然面白い。
未見の方にはぜひとも見てもらいたい。

visual experiments lain

visual experiments lain/ビジュアルエクスペリメンツ レイン

visual experiments lain/ビジュアルエクスペリメンツ レイン

lain』のファンブックで、各話のあらすじ、解説や、インタビュー記事などが載っている。
ファンなら必携の1冊。

lainノート』ではこの本の11話の解説などを引用してる。
けっこう重要な指摘がさらっと書かれてるw

scenario experiments lain the series

scenario experiments lain/シナリオエクスペリメンツ レイン[新装版]

scenario experiments lain/シナリオエクスペリメンツ レイン[新装版]

脚本担当の小中氏による脚注付きの脚本と、インタビュー記事が載ってる。
脚注にもいろいろ情報が載ってて、読み応えバツグン。

lainノート』では本編からの引用するときに参考にした。
また、インタビュー記事(座談会)での小中氏の発言からも引用している。

哲学関連

てつがくフレンズ 女の子の姿になった哲学者たちの哲学学園

てつがくフレンズ 女の子の姿になった哲学者たちの哲学学園

てつがくフレンズ 女の子の姿になった哲学者たちの哲学学園

  • 作者:飲茶
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2017/09/16
  • メディア: 単行本

飲茶さん原作の哲学紹介4コママンガ。
主に古代ギリシャの哲学者が紹介されてる。
中盤からの、哲学的な議論を交えたストーリーはとても面白い。

以下の記事も参照:

lainノート』ではイデア論に関して参考にした。

ちなみに、飲茶さんの本はとても面白くて分かりやすいので、哲学入門にとてもオススメ。

史上最強の哲学入門 (河出文庫)

史上最強の哲学入門 (河出文庫)

史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち (河出文庫 や 33-2)

史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち (河出文庫 や 33-2)

ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。

ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。

ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。

原田まりるさんの小説で、主に実存主義の哲学者を紹介している。

永井均先生は『<子ども>のための哲学』で哲学を4つに分けている:

  • 子どもの哲学:存在を問題にする(なぜ存在するのか?)
  • 青年の哲学:人生を問題にする(どう生きるべきか?)
  • 大人の哲学:社会を問題にする(社会はどうあるべきか?)
  • 老人の哲学:死を問題にする(死とは何か?)

実存主義はこの青年の哲学にあたると言え、いろいろ参考になる人も多そう。

以下の記事も参照:

lainノート』では実存主義ーー特にサルトルについて参考にした。

哲学散歩道 身体から眺めた世界

拙著w
「正しさ」「関係性」「身体性」の3つについて議論している。

lainノート』の4章〜6章はこの本での議論がベースになっているので、議論の詳細を追いたい場合はぜひ参照してもらえれば。

数学、技術関連

最適化法

最適化法 (工系数学講座 17)

最適化法 (工系数学講座 17)

数理最適化の教科書。
普通の数学書に比べるとだいぶ丸いと思うんだけど、それでも数学書なので、読むのはそれなりに大変かも。
人工知能技術は数理最適化の応用の一つなので、結果だけでもさらっと掴んでおくといいと思う。

lainノート』では、数理最適化とは何かの説明で参考にした。

深層学習

深層学習 (機械学習プロフェッショナルシリーズ)

深層学習 (機械学習プロフェッショナルシリーズ)

  • 作者:岡谷 貴之
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/04/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

深層学習の入門書。
と言いつつ、自分はまだニューラルネットワークの部分しか読めてないんだけど(^^;
(なかなか読む時間がとれない)

lainノート』ではニューラルネットワークの説明で参考にした。

パターン認識のためのサポートベクトルマシン入門

パターン認識のためのサポートベクトルマシン入門

パターン認識のためのサポートベクトルマシン入門

  • 作者:阿部 重夫
  • 出版社/メーカー: 森北出版
  • 発売日: 2011/04/09
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

深層学習の前に流行っていたサポートベクトルマシンの入門書。
理論的な部分がしっかり書かれてる。
KKT条件などが出てくるので、それについては前述の『最適化法』を参考にするといい。

lainノート』ではサポートベクトルマシンの説明で参考にした。

強化学習

強化学習

強化学習

強化学習の教科書。
言わずと知れたSutton本。

自分も勉強した内容を以下の記事にまとめている:

lainノート』では強化学習の説明で参考にした。

人工知能関連

人工知能のための哲学塾

人工知能のための哲学塾

人工知能のための哲学塾

  • 作者:三宅 陽一郎
  • 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
  • 発売日: 2016/08/11
  • メディア: 単行本

人工知能のための哲学塾 東洋哲学篇

人工知能のための哲学塾 東洋哲学篇

  • 作者:三宅陽一郎
  • 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
  • 発売日: 2018/04/20
  • メディア: 単行本

三宅陽一郎先生による、人工知能を作るにあたって考える必要が出てくる哲学を紹介した本。

以下の記事も参照:

lainノート』ではフレーム問題の説明と、人工知能の欲望に関する話で参考にした。
また、『lainノート』でイデア論の話を出したのは、とある飲み会での三宅先生の発言(人工知能は作るものじゃなくて、存在があるところに生まれてるものなんじゃないか、といった内容)がきっかけになっている。

現れる存在 脳と身体と世界の再統合

現れる存在―脳と身体と世界の再統合

現れる存在―脳と身体と世界の再統合

身体性認知科学の本で、知能とは脳の中に閉じているものではなくて、身体、さらには環境にもにじみ出ているんじゃないか、と主張している。
哲学的でもあるのだけど、それ以上に科学的で、紹介されてる事例も(けっこう古くはなってるものの)面白いので、エンジニアにはぜひ読んでもらいたい。

以下の記事も参照:

lainノート』では人工知能の在り方について問題提起するときに参考にした。

ちょびっツ

ちょびっツ(1) (ヤングマガジンコミックス)

ちょびっツ(1) (ヤングマガジンコミックス)

CLAMPによるマンガ。
パソコンが人型をしている世界を描き出していて、その中で様々な哲学的な話を展開している。

人工知能を考える上で、この『ちょびっツ』は本当に示唆的。
人工知能の哲学に興味がある人は、必見と言っても過言ではないと思ってる。

以下の記事も参照:

lainノート』では、人工知能が人間にとって都合の良くない存在であったとしても、それを愛せるのかという問題提起で引用している。
(それが『ちょびっツ』の最大のテーマでもある)

その他

キーリ 死者たちは荒野に眠る

キーリ 死者たちは荒野に眠る (電撃文庫)

キーリ 死者たちは荒野に眠る (電撃文庫)

壁井ユカコ先生のライトノベル
人工知能とはまったく関係ないんだけど、このシリーズ、小説として普通に面白いんでオススメ。
壁井ユカコ先生の文章、大好き。

lainノート』では、遍在するだけの神様って本当に嬉しいの?という問題提起で引用した。

劇場版カードキャプターさくら 封印されたカード

CLAMPの『カードキャプターさくら』の劇場版。
脚本をCLAMPの大川さんが書いてるので、まさにCLAMPという内容になっている。
これも人工知能には関係ない作品なんだけど、とても面白いのでオススメしたい。

考察記事は以下を参照:

lainノート』では友達に関する議論でさくらのセリフを引用した。
さくらちゃんの精神年齢の高さw(CLAMP作品ではよくあることw)

今日はここまで!

visual experiments lain/ビジュアルエクスペリメンツ レイン

visual experiments lain/ビジュアルエクスペリメンツ レイン

scenario experiments lain/シナリオエクスペリメンツ レイン[新装版]

scenario experiments lain/シナリオエクスペリメンツ レイン[新装版]

てつがくフレンズ 女の子の姿になった哲学者たちの哲学学園

てつがくフレンズ 女の子の姿になった哲学者たちの哲学学園

  • 作者:飲茶
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2017/09/16
  • メディア: 単行本

史上最強の哲学入門 (河出文庫)

史上最強の哲学入門 (河出文庫)

史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち (河出文庫 や 33-2)

史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち (河出文庫 や 33-2)

ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。

ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。

最適化法 (工系数学講座 17)

最適化法 (工系数学講座 17)

深層学習 (機械学習プロフェッショナルシリーズ)

深層学習 (機械学習プロフェッショナルシリーズ)

  • 作者:岡谷 貴之
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/04/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

パターン認識のためのサポートベクトルマシン入門

パターン認識のためのサポートベクトルマシン入門

  • 作者:阿部 重夫
  • 出版社/メーカー: 森北出版
  • 発売日: 2011/04/09
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

強化学習

強化学習

人工知能のための哲学塾

人工知能のための哲学塾

  • 作者:三宅 陽一郎
  • 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
  • 発売日: 2016/08/11
  • メディア: 単行本

人工知能のための哲学塾 東洋哲学篇

人工知能のための哲学塾 東洋哲学篇

  • 作者:三宅陽一郎
  • 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
  • 発売日: 2018/04/20
  • メディア: 単行本

現れる存在―脳と身体と世界の再統合

現れる存在―脳と身体と世界の再統合

ちょびっツ(1) (ヤングマガジンコミックス)

ちょびっツ(1) (ヤングマガジンコミックス)

キーリ 死者たちは荒野に眠る (電撃文庫)

キーリ 死者たちは荒野に眠る (電撃文庫)

技書博2にサークル参加してきた。

f:id:yamaimo0625:20190621155528j:plain

12/14(土)に開かれた第二回技術書同人誌博覧会にサークル「いもあらい。」で参加してきたので、感想とふりかえり。

一般参加してきた第一回の様子は以下から:

驚きの快適空間

まずはこれ。

めっちゃ快適だった!

前回と同様、入場チケットをかなり絞った数で発行していたので、会場が混雑することなく、一般参加の方々がかなりゆったりと見て回っていたのが印象的。
手にとってじっくりと見てもらえるのは、サークル側としてもかなり嬉しい。

チケットでの入場が400人なので、全部で600人くらいかなと想像していて、これは技術書典の1割未満なので、売れる冊数も1割弱が目安かなと思っていたのだけど、それと比べるとけっこう売れたなという印象。
この快適空間が追い風した可能性はありそう。
出店してるサークル数も少ないので、単純には比較できないけど。

あと、お菓子やコーヒーが出る読書室が用意されていて、「なにそれめっちゃ素敵!」と思った。
戦利品をその場で確かめたり、ちょっと休憩してまた見に行ったりとかできるもんね。
入場者数が多いと難しいけど、今の規模だからできる素敵な企画。

さらに、サークル参加者にお弁当が提供された!
しかも、お弁当が配られた時間帯は一般参加者の移動も制限されて、休憩を兼ねながらお昼を食べられるという配慮っぷり。
お弁当が配られても食べる余裕がなきゃ逆に邪魔なわけで、この配慮は嬉しかった。

そんな感じで、全体的にやさしい世界。
サークル参加者にも一般参加者にも快適に過ごしてもらおうとしてるイベント運営には驚くばかりだった。

ちなみに、技術書典はまた別のポリシーがあると感じていて、それは出来るだけ制限は少なくして、より多くの人により多くの技術を届けるということ。
なので、入場数に上限をつけないし、ジャンルのタグ入力もフリー入力を可能にしてるとのこと。
そして、安全性の確保を最優先しながら拡大を図ってるみたい。

今回作った本に関して

今回作ったのは『lain, anonymous insight note』という本。
BOOTHでも頒布中!(と宣伝w)

意識したのは、薄くすることw
表紙込みで68ページと、いい感じの厚さに出来た。

薄くして思ったのは、やっぱり取り扱いが楽w
とらのあなさんに10冊ほど委託したのだけど、手で簡単に持ち運べるのはいいねw

ツイート値引き

今回ちょっと試してみたのが、ツイート値引き。

これは何かというと、購入するときに「〜を購入しました! (BOOTHでのPDF版のURL)」というツイートをしてもらったら、500円引きするという試み。
お客さんにやってもらうのは、QRコードを読み込むことでツイートしてもらうだけ。
(そういうQRコードを作れる;これについてはそのうち)

狙いとしては、

  • 自分がリーチできないTwitterユーザへの宣伝(購入者のフォロワーに宣伝が打てる)
  • 500円値引きで購買意欲を高める
  • 場合によっては購入してくれた方にこちらからアプローチできる

といったところ。
あと、こういった手順がどれくらい手間かも確認してみたかった。

結果としては、宣伝効果はほとんどなし(^^;
イベント中にBOOTHで数件購入があったけど、値引きした額の方が圧倒的に高い。

また、購買意欲を高める効果もほとんどなかった。
ツイート値引きについてお客さんから言及してきたのは数件。
購入の意図を示してくれたときにこちらから提案して、それならとツイートしてくれるケースがほとんどだった。
(そのタイミングで500円引きと初めて知って、喜んでくれる方は多かった)
やっぱり「迷う理由が『値段』なら買え、買う理由が『値段』ならやめておけ」という言葉通り、値段が決め手になってるケースは少ないんだと思う。
(とはいえ、足切りの理由にはなるので、市場の相場からあまりに離れた値段は止めた方がいい・・・)

ということで、プロモーション手段としては微妙だったかも。

ただ、ツイートしてくれたのをエゴサしてリツイートすることで、フォローしてくれて繋がったりというのはあった。
これは地味に嬉しいw
あと、『Math Poker Girl』を購入してくれた方にダウンロードカードを渡しそびれるミスをしてしまったのだけど、ツイートにリプライを送って無事渡すことができたりもした。

それと、副次的な効果で、人がいるところに人は集まるので、ツイートをしてもらっていると「何だろう?」と覗き込んできてくれる人がけっこういた。
そういう意味で、その場での宣伝効果は地味にあった気がする。
ただ、ワンオペで他のお客さんの対応ができなかったので、その宣伝効果はうまく活かせなかった感じ。

技書博くらいに余裕があればお客さんとのコミュニケーションの一環として楽しいかもしれないけど、プロモーション効果はあまりなく、他のお客さんの相手をする時間が減るという意味では機会損失が大きい感じかな。

机の上のレイアウト

自分のスペースはこんな感じのレイアウトにしてた:

見ての通り、「見本」と分かりやすく表示してある。

けど、文フリ東京29のとき今回も、なぜか多くの人が手前に積まれた本から読もうとする・・・
別にそれでもいいんだけど、立ててある本の方が目に入りやすいし、「見本」とちゃんと書かれてるのに、それではなく手前から本を取ろうとするのかが不思議でならなかった。

そして、今回気づいた。

あっ、奥の本は手を伸ばさないと取れないんだ!

気づいてしまえば当たり前なんだけど、手前にある本は簡単に取ることができる。
一方、奥の本は手を伸ばさないと取ることができない。
だから、みんな手前から本を取ろうとするのか、と。

f:id:yamaimo0625:20191216190958p:plain

なので、見本を立てるディスプレイは、机の奥の方じゃなくて手前に置かないとダメだと気づいた。

そして、平積みの本も出来ればあった方がいいので(これくださいと指して注文しやすい)、おそらく次のようなレイアウト(俯瞰)にするとよさそう:

f:id:yamaimo0625:20191216192342p:plain

ディスプレイ棚は机の手前に置き、その横に平置きにもしておく。
そして、ディスプレイ棚の後ろ側を作業スペースや在庫置き場に使う感じ。
これまでのレイアウトだと作業スペースがとれなくて設営や片付けが地味にやりづらかったんだけど、改善後のレイアウトならこの問題も解消できそう。

懸念点は、ディスプレイ棚を2段にしないと見本を置ききれないかなということ。
一応、このダンボール製のディスプレイ棚は2段に重ねることもできるんだけど、ちょっと不安。
それに、組み立てや分解で毎回けっこう手間がかかってるのと、折らないように気をつける必要があったりするので、別のもので代替できないかちょっと考えてる。
(まだ見つかってない)

設営/撤収チェックリスト

文フリ東京29のふりかえりを踏まえて設営/撤収チェックリストを改善してみた。
手順自体はそれほど問題なし。
ただ、チェックリストの置き場所で困るケースの方が多かった。
(片付けはそれが原因でほとんどチェックリストを見れなかった)

なので、もっと小さい紙に手順だけ書いて、ネックストラップとかで簡単に見れるようにした方がよさそう。

机の下のレイアウト

文フリ東京29で、文房具セットをキャリーバッグの中に入れていたのですぐに使えず困ったというのがあり、今回はトートバッグを用意してそこにすぐ使うもの(文房具セットや敷き布)を入れてみた。
また、キャリーバッグを横に寝かせておいたら足が窮屈でツラかったので、今回は立てて置くようにしてみた。

結果、机の下が物置としてまったく使えなかった(^^;

カバンが複数あるので置き場に困るし、キャリーバッグの上を荷物置き場として使えなかったので文房具セットの置き場所とかチェックリストの置き場所とかでかなり困ってしまった。
設営や片付けでも、荷物を右から左へと空いてるスペースに移動するという無駄がかなり発生・・・

ちょっとこれは簡単に解決する方法が思い浮かんでない。
キャリーバッグを棚として使えるようにできればいいのだけど。
(たとえば、中に区切りを用意して、立てた状態で引き出しみたいにできる、とか)


そんな感じで技書博自体はとてもいいイベントだったんだけど、自分の方ではいろいろ課題が見つかった。
次に向けて改善していきたい。

今日はここまで!

トリテはなぜいっぱいあるのか。

f:id:yamaimo0625:20191210103914j:plain

世の中にいっぱいあるトリテ。
なんでこんなにトリテがいっぱいあるんだろうとちょっと考えてみた。


これはTrick-taking games Advent Calendar 2019 - Adventarの10日目の記事です。

2015年、2016年に投稿した記事は以下から:

トランプゲームの分類

草場さんの『夢中になる! トランプの本』では、トランプゲームはおよそ次の5つに分類できると書かれている:

  1. トリック系(カードを出して数比べ、いろいろある)
  2. ラミー系(手札でセットを作る、トランプ以外だと麻雀など)
  3. カシノ系(場のカードを取得する、トランプ以外だと花札など)
  4. ストップ系(手札をなくしていく、ババ抜きなど)
  5. ギャンブル系(上記以外、ポーカーなど)

と同時に、これは主に「プレイ方法」に注目した分類方法とも言える。

ラミー系、カシノ系、ストップ系は、そのプレイ方法自体がゲームの勝利条件にほぼ直結してるけど、トリック系だと勝利条件には結びついていない。
勝利条件に注目すれば、たとえばトリックを出来るだけ多く取った方がいいもの(ホイストなど)、出来るだけ取らない方がいいもの(ブラックレディなど)、特定の数を目指すもの(オーヘルなど)と、さらに細かく分類できる。

こうやって考えると、トリテは「プレイ方法」についてしか規定していなくて、他のメカニクスと組み合わせやすいからいろいろ作れるのかなと。

トリテ+勝利条件

勝利条件は、以下のようなものを考えられる:

  • できるだけ多く取る
  • できるだけ取らない
  • 決めた数を取る
  • 一定数まで取る
  • 特定のカードを取る
  • 最後のトリックを取る
  • 最後のトリックを取らない

一定数まで取るというのは、スリートリックスなど。
これは、トリテにバーストのメカニクスを足し合わせたと考えることもできる。
アノウもスートごとにバーストがあると考えられたり。

特定のカードを取るのは、シュナプセンなどのカードポイントを集めるトリテ。

最後のトリックを取るかどうかが勝利条件のゲームもあって、スパーやキュウリなどがこれにあたる。

他にも、トリック数とは関係ない勝利条件を組み合わせることも可能。
たとえば勝利条件でエリアマジョリティを足し合わせたペンタトリックスとかもある。

勝利条件に関するメカニクスはいっぱいあるので、いろんなものと組み合わせられると思う。

トリテ+プレイ縛り

これは難しいところで、「マストフォローにあらずんばトリテにあらず」という人もいるけど、そうするとマストフォローでないゲームが宙に浮いて分類できなくなるので、一応。

  • マストフォロー
  • メイフォロー
  • マストノットフォロー
  • ランク縛り(キュウリ系)
  • マストラフ

それぞれいろいろあるので、具体的な例は省略。

プレイ縛りと言えるか難しいけど、たまたま見つけたゲームで面白いルールだなと思ったのは、ダブル・サーというゲーム。
このゲームだと、トリックを取ると中央に置かれ、誰かが連続してトリックを取ったときに初めて中央にスタックされたトリックが全部その人のものになる。
つまり、連続勝利縛り。
実際に遊んではいないので、面白いかは分からないけど(^^;

トリテ+ハンド構築

配り切りでないトリテなら、ハンド構築と組み合わせることもできる。
ジャーマンホイストやシュナプセン、トレセッテ(二人戦)とか。

あるいは、バスシュティッヒのような変態トリテも。

ちょっと変わったものとして、ドラフトレディなんてものもある。
これはブラックレディ+ドラフトで、ドラフトで手札を構築するのが面白い。
(なお、自分はめちゃくちゃ弱かった・・・)

トリテ+競り

これはもうおなじみ。
ビッドのあるトリテは星の数ほど。
トリテは手札運によるものもあるので、相性がいいんだと思う。

トリテ+ギャンブル

ギャンブルで重要になるのは、勝負に参加するか、それとも降りるか。
そういった要素が入ってるトリテは、ルーやツーペンなどがある。
カマリもこの一つ。

トリテ+協力関係

プレイヤー間に協力関係があるかどうかで考えることもできる:

  • 個人戦
  • ペア戦
  • 複数陣営
  • 全員協力

個人戦のトリテは星の数ほどあるし、ペア戦だとコントラクトブリッジなど、複数陣営だとスカートなど、全員協力だとカムレッドなどがある。

トリテ+正体隠匿

複数陣営のトリテだと、正体隠匿要素の入ったものも。
ナポレオンやブリスコラ・ブジャルダなどがそう。
トリプルクラウンというのもある。


こんな感じで、いろいろメカニクスを組み合わせやすいんだと思う。
新しいトリテを考えるときも、他のメカニクスと組み合わせるところから考えてもいいのかも。

今日はここまで!

もっと夢中になる! トランプの本

もっと夢中になる! トランプの本

jlreqでの箇条書きのインデント調整に関して。

f:id:yamaimo0625:20191027115107j:plain

 \TeXでちょっと困るのが箇条書き(itemize環境、enumerate環境)でのインデントの調整。
いろいろ設定項目があって、よく分からなくなることが多い。
ここではjlreqドキュメントクラスを使ったときのインデントの調整方法を残しておく。


これはTeX & LaTeX Advent Calendar 2019 - Adventarの7日目の記事です。
Lua(La)TeX関係ないですが・・・

6日目はuwabamiさんのTeX on Debian 10 (Buster) - 平衡点(2019-12-06)でした。
8日目はtrueroadさんのLuaTeXで原ノ味フォントを使う - Qiitaです。

jlreqドキュメントクラス

jlreqドキュメントクラスは、日本語組版処理の要件にしたがうように作られたドキュメントクラス。

日本語文書を作る場合、jsclasses(やbxjscls)を使うことが多いと思うけど、後発のjlreqは見出しやページスタイルのカスタマイズが圧倒的に楽。
もっと実績を増やして使われるようになって欲しい・・・

bxjsclsでのカスタマイズは以下も参照:

jlreqでのカスタマイズは以下も参照:

jlreqでの箇条書きのインデント調整

jlreqで箇条書きのインデントを調整する場合、プリアンブルで\jlreqsetupおよび\setlengthを使って長さを指定する。

  • \jlreqsetupで指定
    • itemization_label_length
      ラベルの長さ(≒一行目の左マージン;マージン部分にラベルが出る)
    • itemization_labelsep
      ラベルとの間隔
  • \setlengthで指定
    • \leftmargin<X>
      (二行目以降の)左マージン(<X>はレベルの深さでiii、など)

なお、ここで言うラベルとは、itemize環境での点やenumerate環境での番号など。
また、jlreqは2019-09-24版。
(ドキュメントに記載がないので変更の可能性がある)

図で表すと、次のようになる:

f:id:yamaimo0625:20191204182002p:plain

たとえば、次のようなソースがあったとする:

\documentclass[uplatex,dvipdfmx,paper=a5,open_bracket_pos=nibu_tentsuki]{jlreq}
\usepackage{bounddvi}

% ここに設定を書く

\begin{document}
\noindent\hrulefill

\begin{itemize}
    \item あああああああああああああああああああああああああああああああああ
        \begin{itemize}
            \item いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
        \end{itemize}
    \item ううううううううううううううううううううううううううううううううう
\end{itemize}

\noindent\hrulefill
\end{document}

デフォルトだとこんな出力:

f:id:yamaimo0625:20191204185724p:plain

一行目のインデントをちょうど全角一文字にしたい場合、次のようにする:

\jlreqsetup{
  itemization_label_length={1zw},
}

f:id:yamaimo0625:20191204190228p:plain

さらに、レベル2の一行目のインデントだけ全角三文字分にしたい場合は、次のようにする:

\jlreqsetup{
  itemization_label_length={1zw, ii=3zw},
}

f:id:yamaimo0625:20191204190453p:plain

ラベルとの間隔を全角一文字にしたい場合はこう:

\jlreqsetup{
  itemization_labelsep={1zw},
}

f:id:yamaimo0625:20191204190915p:plain

二行目以降の左マージンを全角三文字分にしたい場合は、こうなる:

\setlength{\leftmargini}{3zw}
\setlength{\leftmarginii}{3zw}

f:id:yamaimo0625:20191204191121p:plain

一行目と二行目以降の先頭が揃ってた方がキレイだと思うので、個人的には次のようにするといいと思う:

\jlreqsetup{
    itemization_label_length={1zw, i=2zw},% レベル1だけインデントをより深くしてみた
    itemization_labelsep={0.5zw},
}
\setlength{\leftmargini}{2.5zw}% 2+0.5
\setlength{\leftmarginii}{1.5zw}% 1+0.5

f:id:yamaimo0625:20191204191635p:plain

括弧類で始まる場合

jlreqでは括弧類が行頭にきた場合の処理をクラスオプションで指定できるようになってる。
オススメは、段落開始のときは二分空き(=半角だけ下がる)、折り返して行頭になったときは天付き(スペース入らない)になる設定。
こうすると、変なことしなくても会話文がそのまま書ける。

\documentclass[uplatex,dvipdfmx,paper=a5,
  open_bracket_pos=nibu_tentsuki,% この設定!
  ]{jlreq}
\usepackage{bounddvi}

\begin{document}
% 『響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、決意の最終楽章 前編』より
机の上で丸めた手を、久美子は強く握り締めた。

「黄前久美子」

「はい!」

こうして、久美子の一年は始まった。
北宇治高校での、最後の一年が。
\end{document}

f:id:yamaimo0625:20191204194206p:plain

ただ、これがちょっと悪さして、箇条書きの先頭に括弧類がきた場合、インデントがおかしくなる場合があった。

\documentclass[uplatex,dvipdfmx,paper=a5,open_bracket_pos=nibu_tentsuki]{jlreq}
\usepackage{bounddvi}

\jlreqsetup{
    itemization_label_length={1zw},
    itemization_labelsep={0.5zw},
}
\setlength{\leftmargini}{1.5zw}

\begin{document}

\noindent\textbf{参考文献}

\begin{itemize}
    \item 『響け!ユーフォニアム』\\
        武田綾乃 著、宝島社
    \item その他もろもろ
\end{itemize}
\end{document}

f:id:yamaimo0625:20191204194831p:plain

この場合、\itemのあとに\hspace{0zw}を入れると、普通の行頭と同じように動くみたい。

ただ、上記の場合は二分空きじゃなくて天付きの方が自然に感じたので、自分は次のように\bitemというマクロを定義して使った:

\newcommand{\bitem}{\item\hspace{-0.5zw}}

\itemの代わりに\bitemを使うと、次のようになる:

f:id:yamaimo0625:20191204195543p:plain

enumerate環境に関して

itemize環境はこれまでので大体問題ないんだけど、割と困るのがenumerate環境。
というのも、ラベル部分で必要な長さがドキュメントを通して一定とは限らないから。
特に、enumerateパッケージを使ってラベルの書式を指定する場合、かなり困る。

一応、\jlreqsetupでは環境名を指定しての長さの指定もできる:

\documentclass[uplatex,dvipdfmx,paper=a5,open_bracket_pos=nibu_tentsuki]{jlreq}
\usepackage{bounddvi}

\jlreqsetup{
    itemization_label_length={1zw,enumerate={5zw}},% enumerateでは全角5文字分
    itemization_labelsep={0.5zw},
}
\setlength{\leftmargini}{1.5zw}
\setlength{\leftmarginii}{5.5zw}

\begin{document}
\noindent\hrulefill

\begin{itemize}
    \item あああああああああああああああああああああああああああああああああ
        \begin{enumerate}
            \item いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
            \item ううううううううううううううううううううううううううううう
        \end{enumerate}
\end{itemize}

\noindent\hrulefill
\end{document}

f:id:yamaimo0625:20191204201212p:plain

なので、書式を特に変えないのであれば、この方法もあり。
(ただし、\leftmargin<X>は適当に変える必要がある)

ただ、次のようにenumerateパッケージを使うと途端におかしなことになる:

\documentclass[uplatex,dvipdfmx,paper=a5,open_bracket_pos=nibu_tentsuki]{jlreq}
\usepackage{bounddvi}

\usepackage{enumerate}

\jlreqsetup{
    itemization_label_length={1zw,enumerate={3zw}},
    itemization_labelsep={0.5zw},
}
\setlength{\leftmargini}{3.5zw}

\begin{document}
\noindent\hrulefill

\begin{enumerate}[(a)]
    \item あああああああああああああああああああああああああああああああああ
    \item いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
    \item ううううううううううううううううううううううううううううううううう
\end{enumerate}

\begin{enumerate}[\hbox{Step-}1.]
    \item あああああああああああああああああああああああああああああああああ
    \item いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
    \item ううううううううううううううううううううううううううううううううう
\end{enumerate}

\noindent\hrulefill
\end{document}

f:id:yamaimo0625:20191204205009p:plain

一行目の設定はjlreqによるものが反映されてるが(ただしそれもラベルの長さがそれぞれ違うので変に見える)、二行目の設定はまったくおかしくなってる。

これはなぜかというと、実はenumerateパッケージ内で\leftmargin<X>の値が書き換えられてしまってるから。

% enumerate.styより
\def\@@enum@[#1]{%
  \@enLab{}\let\@enThe\@enQmark
  \@enloop#1\@enum@
  \ifx\@enThe\@enQmark\@warning{The counter will not be printed.%
   ^^J\space\@spaces\@spaces\@spaces The label is: \the\@enLab}\fi
  \expandafter\edef\csname label\@enumctr\endcsname{\the\@enLab}%
  \expandafter\let\csname the\@enumctr\endcsname\@enThe
  \csname c@\@enumctr\endcsname7
% 以下で\leftmargin<X>が変えられる
  \expandafter\settowidth
            \csname leftmargin\romannumeral\@enumdepth\endcsname
            {\the\@enLab\hspace{\labelsep}}%
  \@enum@}

ラベルの長さをそのまま\leftmargin<X>の値にされてしまってる。

これを直すには、コピペしてきて長さを設定している部分をコメントアウトする。

% enumerateパッケージの修正
\makeatletter
\def\@@enum@[#1]{%
  \@enLab{}\let\@enThe\@enQmark
  \@enloop#1\@enum@
  \ifx\@enThe\@enQmark\@warning{The counter will not be printed.%
   ^^J\space\@spaces\@spaces\@spaces The label is: \the\@enLab}\fi
  \expandafter\edef\csname label\@enumctr\endcsname{\the\@enLab}%
  \expandafter\let\csname the\@enumctr\endcsname\@enThe
  \csname c@\@enumctr\endcsname7
% \leftmargin<X>の設定を無効にする
%  \expandafter\settowidth
%            \csname leftmargin\romannumeral\@enumdepth\endcsname
%            {\the\@enLab\hspace{\labelsep}}%
  \@enum@}
\makeatother

f:id:yamaimo0625:20191204205812p:plain

また、それぞれでインデントの深さを変えたい場合には、\jlreqsetupを使わずに長さを指定するしかない:

\documentclass[uplatex,dvipdfmx,paper=a5,open_bracket_pos=nibu_tentsuki]{jlreq}
\usepackage{bounddvi}

\usepackage{enumerate}

% enumerateパッケージの修正
\makeatletter
\def\@@enum@[#1]{%
  \@enLab{}\let\@enThe\@enQmark
  \@enloop#1\@enum@
  \ifx\@enThe\@enQmark\@warning{The counter will not be printed.%
   ^^J\space\@spaces\@spaces\@spaces The label is: \the\@enLab}\fi
  \expandafter\edef\csname label\@enumctr\endcsname{\the\@enLab}%
  \expandafter\let\csname the\@enumctr\endcsname\@enThe
  \csname c@\@enumctr\endcsname7
% leftmargin設定を無効にする
%  \expandafter\settowidth
%            \csname leftmargin\romannumeral\@enumdepth\endcsname
%            {\the\@enLab\hspace{\labelsep}}%
  \@enum@}
\makeatother

\begin{document}
\noindent\hrulefill

{
% \leftmarginiを('(a)'の幅)+(ラベルとの間隔)に設定
\settowidth{\leftmargini}{(a)}
\addtolength{\leftmargini}{0.5zw}
\begin{enumerate}[(a)]
    \setlength{\itemindent}{0zw}% 一行目の追加のインデント
    \setlength{\labelsep}{0.5zw}% ラベルとの間隔(\leftmargini+\itemindentから左側に空白)
    \item あああああああああああああああああああああああああああああああああ
    \item いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
    \item ううううううううううううううううううううううううううううううううう
\end{enumerate}
}

{
% \leftmarginiを('Step-1.'の幅)+(ラベルとの間隔)に設定
\settowidth{\leftmargini}{Step-1.}
\addtolength{\leftmargini}{0.5zw}
\begin{enumerate}[\hbox{Step-}1.]
    \setlength{\itemindent}{0zw}% 一行目の追加のインデント
    \setlength{\labelsep}{0.5zw}% ラベルとの間隔(\leftmargini+\itemindentから左側に空白)
    \item あああああああああああああああああああああああああああああああああ
    \item いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
    \item ううううううううううううううううううううううううううううううううう
\end{enumerate}

\noindent\hrulefill
\end{document}

f:id:yamaimo0625:20191204210727p:plain

ここまで頑張ると、いい感じになる。
このあたりは改善されるといいんだけど・・・

今日はここまで!

文フリ東京29にサークル参加してきた。

f:id:yamaimo0625:20190621155528j:plain

11/24(日)に開かれた文フリ東京29にサークル「いもあらい。」で参加してきたので、そのふりかえり。

技術書典7への参加でのふりかえりをいろいろ活かしてみた。

同人誌制作

まず、同人誌制作に関して。

jlreqの利用

今回も \TeXを使って作ったんだけど、jsclassesではなくjlreqを使ってみた。

これは縦組に対応したまともなドキュメントクラスがこれくらいだったからなのが大きかったのだけど、結果的にはとてもよかった。
見出しなどのカスタマイズが普通に比べてだいぶ楽にできた。

jlreqを使ったカスタマイズの概要は以下も参照:

いろいろ知見が得られたので、どこかでまとめたい。

漢字表記の対策

また、漢字を開くかどうか迷うことが多かったので、以下の同人誌を参考に、『NHK漢字表記辞典』を買ってみた。

NHK漢字表記辞典

NHK漢字表記辞典

この表記辞典にそのまま従うということはあまりなかったけど、気になったときに参考にできるものがあるのはすごくよかった。
物理本なので持ち運ぶには向いてないけど、一冊持っていて損はないと思う。

脱ダウンロードカード

あと、ダウンロードカードをやめて、本文中にダウンロードURLとzip解凍パスワードをつけるようにした。

理由は、ダウンロードカードを追加で作るのはコストもかかるし、持っていくのをうっかり忘れる危険性もあるから。
(実際、今回会場で「あれ? ダウンロードカード入れたっけ?」と焦った)
それに、ダウンロードカードを渡す手間もなくなる。

欠点としては、物理本が売り切れたときにPDFだけ売るとかはできなくなる。
ただ、ダウンロードカードでPDFだけ売るのもリスクが高いと思っていて、というのも、もし(ダウンロードカード)<(物理本)となったらどうするのかという問題があるから。
それだったら、PDFだけ欲しい場合はQRコード読んでもらってBOOTHからPDFを購入してもらう方がよさそう。

技術書典7ではダウンロードカード用のパスワードを自動生成してzipに圧縮するツールを作ったけど、今回のように本文中にパスワードを書く場合、パスワードの生成とzip圧縮は別々にできる必要がある。
そこで、ツールも少し修正した。

校正

前回、校正でかなり苦しんだので、今回は観点を固定してやるようにしてみた。
一つのことだけ気にすればいいので、この方が楽な感じがした。

印刷

今回も印刷はねこのしっぽさんにお願いした。

オンデマンド印刷

たくさん売れるような本ではないので、オフセット印刷ではなくオンデマンド印刷を使ってみた。
どんなもんかと思ってたけど、正直、素人目にはオフセット印刷と区別がつかない、いい出来だった。
これなら今後もオンデマンド印刷で全然よさそう。
(よほどの冊数を刷らないと、オンデマンド印刷の方がずっと安い)

表紙

それと、表紙にタント紙(画用紙と思えばいい)を使ってみた。
タント紙、めっちゃいい・・・
よく表紙に使われるホワイトポストに比べるとやや薄く、やや弱い感じではあるけど、やさしい手触りと、凹凸ある紙面への味のある印刷がとてもいい。
マットPP加工のように追加料金もいらないし。

白紙ページ

前回、「〜のページは白紙でいいですか?」というやりとりが発生したので、あらかじめ「〜ページは白紙です」ということをフォームで伝えておいた。
これで今回は何の問題は発生せずに一発入稿!
今後も忘れずに伝えるようにしよう。

イベント参加

一人での参加

今回は一人で参加してみた。

一人だとやっぱりいろいろ大変。
トイレ休憩とか。
まぁ、「休憩中」って札を立てて行くだけなんだけど。

技術書典7では「おっさんレンタル」でレンタルしたおっさんに売り子を頼んだというのを見かけたので、これも一つの手かなと思ってる。
(同人誌制作や頒布に興味ある友達がいれば手伝ってもらってもいいんだけど、そうでないとなかなか頼みづらい・・・)

設営/撤収チェックリスト

技術書典7では設営/撤収のタイミングで頭が真っ白になったので、あらかじめチェックリストを作って参加してみた。

作ったチェックリストはこんな感じ:

f:id:yamaimo0625:20191128145944p:plain

これのおかげでフリーズすることなかったので、よかった。
クリップボードがあればもっとよかった)

そして、実際に使ってみるとやはり改善点が見つかった。
そこで改善点を反映してみたのがこれ:

f:id:yamaimo0625:20191128150029p:plain

  • ダンボールを開くときに梱包材とかが出てくるけど、片付ける場所を用意しておかないと邪魔になる。
    なので、あらかじめゴミ袋を用意するようにした。
  • ポスタースタンドを早めに立ててしまうと、かなり邪魔になる。
    なので、最後の方に立てるようにした。
  • 見本誌を用意するときもスペースが欲しいので、ディスプレイ棚の組み立ては見本誌作りの後にした。
  • ポスタースタンドは邪魔になるので早めに片付けるようにした。
  • 宅急便の締め切りの時間があるので、宅急便は早めに送るようにした。

これで問題ないかは、次のイベントで試してみて確認する予定。

マーケティング

今回は、これまで出していた『哲学散歩道』シリーズと『ゆうら』を一冊にまとめて、ちゃんとした印刷所さんで印刷したものが欲しいという動機で本を作ったので、マーケティングは度外視の部分はある。
まぁ、想像以上に売れなくてちょっとヘコんだけど。
とはいえ、最高の本が出来たことについてはすごく満足してる。
これぞまさに「自分のために書いた本」という感じ。

とはいえ、いろいろ思ったこともあるので、それについて。

市場破壊

今回強く思ったのはこれ。
文フリ、市場ぶっ壊れすぎ。

左隣のサークルは、中綴じの薄い本とはいえ1冊100円で売っていて、終わった頃に「うん、会場代くらいはペイできたね」とか言ってるし(印刷代は?)、右隣のサークルに至っては「感想くれればタダでいいです」と冊子を無料配布・・・ペーパーならまだしも、おもちゃみたいな小さくオシャレな本を無料配布って、それでいいのか?
近所のサークルではけっこうな分厚さの本を1,000円で売ってたり、え、それ原価回収できてるの?という感じ。

そんな中にあって、自分の2,000円の本がどれだけ手に取られないことか。
今回、B4のポスターをちゃんと作って、それはけっこう目を引いてたのが見てとれたんだけど、視線が少し下がって値段見たあとにぷぃっと離れていくことが何度もあった。
見本を読んでから値札を見て離脱するケースも。
じっくりと読んでから「よく出来てますね」と言ってくれたけど、購入には至らないケースも。
いや、その感想自体はめっちゃ嬉しいんだけどね(^^;

購入側からしたら、値段が安い方が嬉しいというのは分かるんだけど、購入側が得してる分、販売側がかなり費用を負担してる感じがした。
まぁ、趣味でやってるから収支がマイナスでも全然いいのは分かるんだけど、サークル参加側が苦しくなるような場は継続性が難しいと思うんだけど・・・それに、妥当な価格の本も足切りされてしまう場になってしまう。
デフレ経済、よくない。

とりあえず、自分は文フリには今後サークル参加しないと思う。

薄い本は正義

それはそうと、やはり薄い本は正義だよなと思った。
値段も安くできるし。

今回は自分の作りたい本を作るのを優先したけど、一から考えて書くなら、値段の上限を決めて、そこからページ数を逆算して、その中に収まるように書くのがよさそう。

そして、値段の上限については、「信用」と同じで有名かどうかで判断する感じなんだろうなと思った。
極端な話、同じ内容の本でも、有名な人と無名な人とではつけられる値段が違う・・・

有名な人は少なく、無名な人は多い。
だから、有名な人から欲しい本を探すのは楽だけど、無名な人から欲しい本を探すのは大変。
そこで、有名な人の本は楽に見つかるから高くても問題ないけど、無名な人の本は見つけるのが大変な上に高かったら買ってもらえない。

おそらく、次の公式が成り立つ:

(有名人の人数)×(有名人の本の値段上限)=(無名人の人数)×(無名人の本の値段上限)

たぶん、本の内容がいいかどうかより、こちらの方がインパクトがデカい。
どんなにいい本を書いても、書いた人が有名じゃないと売れない。
だって、どこの誰とも知らない人が書いた本なんて、信用がまるでないわけで、しかもそういう本は無名な人の分だけあるわけだから、一つずつ評価もできないし。

なので、本の出来をよくしていく努力はもちろん必要なんだけど、現状での周りに対する信用から本の分量の上限を決めて、その中で価値を提供して信用を高めていく感じなんだろうなぁ。


宣伝!
『哲学散歩道』と『Math Poker Girl』はBOOTHでも頒布してるのでよろしくお願いします!

今日はここまで!

『マインドセット 「やればできる!」の研究』を読んでみた。

f:id:yamaimo0625:20190125223301j:plain

マインドセット 「やればできる!」の研究』がとても面白かったので、内容を簡単にまとめておく。

マインドセット「やればできる! 」の研究

マインドセット「やればできる! 」の研究

なお、この本を読んだの自体は去年。

ただ、今後どうしていくのか考えるために、上牧を旅行してるときに改めて読み直した。

能力は先天的か、後天的か

能力は先天的に決まっていて学習や経験では変化しないのか、それとも後天的に学習や経験で伸びていくものなのか。
このどちらが正しいのかは分からない。
けど、「どちらを信じるか」だけで結果にも差が生まれてきたというのがこの本の主題。
信念の持ち方が人の成長を大きく変えてしまう。

どちらを信じて行動するかという心のあり方をマインドセットと呼ぶ。
前者の「先天的に決まっていて変わらない」と信じている姿を「硬直したマインドセット(fixed mindset)」と呼び、後者の「後天的に伸びていく」と信じている姿を「しなやかなマインドセットgrowth mindset)」と呼ぶ。

功績をあげた人とそうでない人との違いを調べたところ、功績をあげた人はみなしなやかなマインドセットをしていたということ。
また、マインドセットが成長にどのような影響を与えるのかを心理学の実験で調べたところ、しなやかなマインドセットをしていると大きく成長できることが分かったという。

なぜ成長に差が出るのか

硬直したマインドセットだと、「人の優劣は生まれながらにして決まっている」と信じて行動することになる。
なので、自分がいかに優れた能力をもって生まれてきたのかを示し続けなければ、自分に存在価値を見出せない。
自分の能力を周りに誇示し続けなければならない。
バカにされたら負けと思ってしまう。

一方、しなやかなマインドセットだと、「能力は学習でいくらでも伸ばせる」と信じて行動することになる。
だから、現状で他人より劣っていたとしても、それは問題ではない。
学習で伸ばしていけると思っているのだから。
したがって、自分の能力を誇示することにはこだわらない。
そして、何かうまくいかないことがあれば、それは成長のチャンスだと捉えて努力する。

短期的には、自身の能力を誇示することにこだわり、失敗を極端に嫌う硬直したマインドセットの人が勝つことが多い。
(しなやかなマインドセットだと失敗を恐れないので短期的には失敗もよくする)
しかし、現状のままで勝負しようとするのか、よりよくして勝負しようとするのかを考えれば、長期的には、失敗を恐れずに成長していったしなやかなマインドセットの人が勝つのは当然と言える。

硬直したマインドセットだと、失敗したら自分には能力がないのだと露見することになるので、難しい問題に挑戦しようとせず、簡単な問題ばかり解いて自分ができる人間であることをアピールしようとする
けど、それでは成長しない。
一方、しなやかなマインドセットだと、成長していけると信じているので、成長するために難しい問題に挑戦する
もちろん、それで失敗はすることもあるが、そこから努力することで結果的に成長していける。
こうして信念一つで行動に差が生まれ、成長も変わってくる

経営者の例

本では硬直したマインドセットの経営者としなやかなマインドセットの経営者が具体的に紹介されている。
前者にはリー・アイアコッカアルバートダンロップ、後者にはジャック・ウェルチやルー・ガースナーの名が挙がっていて、彼らの行動が具体的にどう違っていたのかが紹介されていて面白い。

硬直したマインドセットの経営者の場合、自分は特別で、他人より優れていることを示すのに躍起になる。
なので、優秀な経営陣を嫌う。
自分だけが突出した存在でいたいと、周りを蹴落としていくことになる。
さらには、自分は特別な人間なのだから何をしてもいいと横暴になる
これでは会社がガタガタになってしまう。

全員が同じ考えで固まってしまうことを集団浅慮というが、トップが硬直したマインドセットだと集団浅慮に陥りやすい。
なぜかというと、異を唱える人がいると、徹底的に叩かれることになるからだ。
これではみんな萎縮してしまって活発な意見交換は行われなくなる。
(余談だけど、自分の元職場がまさにこんな感じだった。自分はボスにも意見してたけど、それが気に食わなかったのか怒鳴りつけてくるようになり、みんな「あぁ、ボスはそういう人なんだな」とボスに意見するのを止めるようになってしまった。賢い判断ではあるけど、健全ではないと思う。心理的安全性の確保って大切・・・)

しなやかなマインドセットの経営者の場合、自分だけが優れていることを示すのに躍起になるのではなく、会社全体が成長していくために努力する
みずから勉強し、また社員とも話し合って、チームとして成長していくことに力を注いでいる。
トップと違う考え方が出てきても、それを攻撃しないので、議論がオープンになって、集団浅慮にも陥りにくくなる。

本の「人はリーダーに生まれつくのではなく、リーダーになるのであり、しかも、外的な条件によってではなく、自分自身の力でリーダーになるのだ」という言葉が印象深い。
硬直したマインドセットでは、ボスにはなれてもリーダーにはなれない。

教育において

教育においてもマインドセットは重要になる。

褒めることの重要性は何度も言われているが、何を褒めるのかが重要だという。

なんと、頭の良さを褒めると学習意欲が損なわれ、成績も低下したという。
これは頭の良さを褒めると硬直したマインドセットになりやすくなるため。
成功したら頭がいいと褒められ、失敗したら頭が悪いと批判されるのであれば、難しい問題に挑みたいとは思わなくなる。

褒めるときには、努力して成し遂げたことを褒めるといい。
努力すれば成長していけることが分かり、しなやかなマインドセットになることができる。

たとえば、ある問題を素早く完璧にやり遂げてしまった場合、褒めるべきかどうか。
そうした場合、褒めるべきではないという。
素早く完璧にやることが大切なんだと学習してしまい、難しい問題には手を出さなくなってしまう。
こうした場合、問題が簡単すぎたと伝え、より挑戦的な問題を提示すべきだという。
問題を解くのに時間がかかったり手こずったりするのは悪いことではなく、それがまさに今成長しているということなんだということを伝え、その努力を褒めてあげれば、積極的に難しい問題に挑戦していくようになる。

失敗したときにどのような声をかけるのかというのも重要。
そういったときには下手に自尊心を守るような声をかけるのではなく、より努力が必要なことを伝えるといい。
失敗から学ぶことを促すのである。

そして、教育は教師にとっても学びの場である。

教師は、自分は完成された人間で、その知識を教授してるんだとなりがち。
しかし、どのように教えるのかも日々よりいいものにしていく必要がある。
できる子は元からできる子、できない子は元からできない子と考えるのは硬直したマインドセットで、子供たちはそう思われて教わると、できる子は失敗を恐れるようになるし、できない子は努力を放棄してしまう。
できない子もできるようにするにはどうしたらいいのかは難しい問題だけど、それだけに挑戦的であり、教師にとっても成長の機会になる。
しなやかなマインドセットを持っていないと、なかなかこうは考えられない。

そして、人は成長できるんだという信念で、高い水準の目標を与え、努力を促し、成長を期待して、粘り強く導いてあげると、子供もその期待を感じ取り、成長していくことができる。

人は成長していける

人は変わり続けられると信じていけば、変わり続けられる。
その信念が努力に、行動に繋がっていくから。

失敗や弱点を成長のチャンスと思うといい。
そして、そこから努力する。


読みながら「自分は硬直したマインドセットなんじゃないか?」と思うことが多かったけど、その思考自体が硬直したマインドセットっぽいと気づいた。
硬直したマインドセットならダメな人間で、しなやかなマインドセットなら優れた人間という感じで評価しようとしている。
自分はどうかという「評価」を下そうとしないで、しなやかなマインドセットを心掛けて成長していくことにだけ尽力するとよさそう。

そして、しなやかなマインドセットの姿はふりかえりにとても近いなと思った。
ふりかえりでは、犯人探しをしてはいけないというのがよく言われること。
犯人探しをするというのは、こいつはできないやつという硬直したマインドセットの考え方だし、そんなのではみんな失敗を恐れて何もできなくなってしまうから。
そうではなく、問題点を探して、それをカイゼンしていくという姿勢をすることで、どんどん新しいことにも挑戦していけるし、成長もしていける。

今日はここまで!

マインドセット「やればできる! 」の研究

マインドセット「やればできる! 」の研究

上牧温泉&宝川温泉に行ってきた。(その2)

f:id:yamaimo0625:20191114071655p:plain

前回の続き。

宝川温泉

最終日の11/2(土)は宝川温泉へ。

宝川温泉水上温泉のさらに奥にある温泉で、開放感溢れる露天風呂が魅力。
映画『テルマエ・ロマエII』のロケ地にも使われたらしい。

以前、宝川温泉に行ったときは、水上駅まで輪行して自転車で向かったのだけど、今回はバスを使ってみた。

調べてみると、往復のバス代と日帰り入浴料がセットになった乗車券が売られていて、これがお得だった。

水上駅を降りて向かいの左手に水上温泉旅館協同組合の建物があり、そこで購入可能。

今回は9時過ぎにホテルをチェックアウトし、9:25の電車に乗って水上へ。

f:id:yamaimo0625:20191114073321p:plain
水上駅

上牧〜水上の車窓から見える風景もよかった。

f:id:yamaimo0625:20191114073408p:plain
絶景

f:id:yamaimo0625:20191114073432p:plain
ラフティングのブリーフィングっぽい

到着したら上記の乗車券を購入して、大きな荷物はコインロッカーに押し込み、しばらく待機。
(バスの本数が少ない)

そのあと、水上駅を出て右手のバス停に移動し、10:49発の「湯の小屋」行きのバスで宝川へ。

前回は自転車だったけど、やっぱりバスは楽でいいw
自転車を漕いでるとそれでイッパイイッパイで周りの景色を楽しむ余裕があまりなかったけど、バスならゆったりと景色を眺めることが出来た。
(そのかわり、風を感じたり、ちょっと立ち止まったりは出来ないので、一長一短ではあるけど)

f:id:yamaimo0625:20191114074433p:plain
藤原ダムから眺める藤原湖

f:id:yamaimo0625:20191114074530p:plain
すごい・・・

f:id:yamaimo0625:20191114074606p:plain
藤原湖を高いところから

「宝川入口」に到着したのがだいたい11:20。
そこから30分くらい歩きかなぁ、と思ってたんだけど、なんと送迎車が来ていた!
バビュっとあっという間に宝川温泉到着!

f:id:yamaimo0625:20191114074914p:plain
宝川温泉

f:id:yamaimo0625:20191114074941p:plain
駐車場の紅葉もいい感じ

f:id:yamaimo0625:20191114075026p:plain
宝川山荘から

f:id:yamaimo0625:20191114075113p:plain
紅葉が映える

とりあえずお腹が空いてたので腹ごしらえ。
岩魚定食を食べたかったのだけど、出来るのに30分くらいかかるということだったので、山菜そばにしてみた。

f:id:yamaimo0625:20191114075251p:plain
山菜そば

なかなか美味しかった。
個人的には関西風のつゆの方が好きなので、そこだけがちょっと残念だったけど。
(群馬なんだから関東風なのは仕方ない)

腹ごしらえしたら、さっそく最高の露天風呂へ。

それにしても、景色が本当にエモい・・・
最高すぎる・・・

f:id:yamaimo0625:20191114075641p:plain
めっちゃキレイ・・・

f:id:yamaimo0625:20191114075811p:plain
風情しかない

ちなみに、混浴なのは変わらないんだけど、ルールがちょっと変更されて、男性も湯あみ着が必須になった。
男性の場合、タオルに紐がついたみたいになってて、2ヶ所で止めるようになっている。
腰にタオルを巻いたまま入るのって、タオルを湯につけるべきじゃないというルールに反するので、どうしたものかと前回思っていたんだけど、公式にルール化されたので、これで堂々と隠せる。(堂々と?)

温泉は相変わらず最高。
この開放感溢れる温泉は、他ではなかなか味わえないと思う。
今回は天気もよく、紅葉もほどよく進んでいて、よかった。

今回面白かったのは、岩肌が揺れることに気づいたこと。
なんじゃそりゃ、って思うかもしれないけど、水面で反射した光が岩肌の影に光の波を映し出して、岩肌が波で揺れるんよ。
硬い岩の表面に柔らかい光の波が揺れる様がとても幻想的で、気づいたときに「おぉ!」ってなったw

摩訶の湯、般若の湯、子宝の湯と3つの温泉をたっぷり楽しんで上がったのが13:30頃。
帰りの送迎車が出るのが14:30だったので、1時間くらいあって、どうしようかなと思ったんだけど、せっかくここまで来たから岩魚定食も食べたいなと注文w
おそば軽かったし、もう一食くらいいけるだろうとw

f:id:yamaimo0625:20191114081541p:plain
岩魚定食

料理が出てくるのに注意書きどおり30分くらいかかって、けっこうギリギリになってしまったけど、やっぱり美味しかった。
大満足w

14:30に送迎車で「宝川入口」まで送ってもらい、14:47のバスに乗車。
帰りも景色を楽しみつつ進んだ。

水上駅に着いたのが15:20頃で、帰りの電車までしばらく時間があるのでどうしようかなと思ってたら、なんか汽笛が!
よく見たらなんか線路沿いに人が集まってて、なんだなんだと向かってみたら、SLがちょうど出発していた!

f:id:yamaimo0625:20191114083716p:plain
SL!

なんというタイミングの良さw

そういえば、水上温泉ゆるキャラ?のおいでちゃんもいたので、記念に一枚。

f:id:yamaimo0625:20191114083851p:plain
おいでちゃん

そのあと、15:53発の電車に乗って帰路へ。

帰りの電車から眺める景色もよかった。

f:id:yamaimo0625:20191114084053p:plain
車窓から眺める利根川

f:id:yamaimo0625:20191114084119p:plain
渋川までくると利根川もだいぶ広がる

途中、渋川駅でさっきのSLに追い付いたりw

f:id:yamaimo0625:20191114084228p:plain
SL@渋川駅

f:id:yamaimo0625:20191114084342p:plain
SLを前から

そんなこんなで、19時頃に地元に到着。


いやー、今回もいい旅だった。
やっぱり上牧や宝川はいいところw

電車やバスの本数は少ないので、時間は念入りに調べておく必要はあるけど、なんか日帰りでも遊びに行けそう。
また行きたいなw

今日はここまで!