世の中にいっぱいあるトリテ。
なんでこんなにトリテがいっぱいあるんだろうとちょっと考えてみた。
これはTrick-taking games Advent Calendar 2019 - Adventarの10日目の記事です。
2015年、2016年に投稿した記事は以下から:
トランプゲームの分類
草場さんの『夢中になる! トランプの本』では、トランプゲームはおよそ次の5つに分類できると書かれている:
- トリック系(カードを出して数比べ、いろいろある)
- ラミー系(手札でセットを作る、トランプ以外だと麻雀など)
- カシノ系(場のカードを取得する、トランプ以外だと花札など)
- ストップ系(手札をなくしていく、ババ抜きなど)
- ギャンブル系(上記以外、ポーカーなど)
と同時に、これは主に「プレイ方法」に注目した分類方法とも言える。
ラミー系、カシノ系、ストップ系は、そのプレイ方法自体がゲームの勝利条件にほぼ直結してるけど、トリック系だと勝利条件には結びついていない。
勝利条件に注目すれば、たとえばトリックを出来るだけ多く取った方がいいもの(ホイストなど)、出来るだけ取らない方がいいもの(ブラックレディなど)、特定の数を目指すもの(オーヘルなど)と、さらに細かく分類できる。
こうやって考えると、トリテは「プレイ方法」についてしか規定していなくて、他のメカニクスと組み合わせやすいからいろいろ作れるのかなと。
トリテ+勝利条件
勝利条件は、以下のようなものを考えられる:
- できるだけ多く取る
- できるだけ取らない
- 決めた数を取る
- 一定数まで取る
- 特定のカードを取る
- 最後のトリックを取る
- 最後のトリックを取らない
一定数まで取るというのは、スリートリックスなど。
これは、トリテにバーストのメカニクスを足し合わせたと考えることもできる。
アノウもスートごとにバーストがあると考えられたり。
特定のカードを取るのは、シュナプセンなどのカードポイントを集めるトリテ。
最後のトリックを取るかどうかが勝利条件のゲームもあって、スパーやキュウリなどがこれにあたる。
他にも、トリック数とは関係ない勝利条件を組み合わせることも可能。
たとえば勝利条件でエリアマジョリティを足し合わせたペンタトリックスとかもある。
勝利条件に関するメカニクスはいっぱいあるので、いろんなものと組み合わせられると思う。
トリテ+プレイ縛り
これは難しいところで、「マストフォローにあらずんばトリテにあらず」という人もいるけど、そうするとマストフォローでないゲームが宙に浮いて分類できなくなるので、一応。
- マストフォロー
- メイフォロー
- マストノットフォロー
- ランク縛り(キュウリ系)
- マストラフ
それぞれいろいろあるので、具体的な例は省略。
プレイ縛りと言えるか難しいけど、たまたま見つけたゲームで面白いルールだなと思ったのは、ダブル・サーというゲーム。
このゲームだと、トリックを取ると中央に置かれ、誰かが連続してトリックを取ったときに初めて中央にスタックされたトリックが全部その人のものになる。
つまり、連続勝利縛り。
実際に遊んではいないので、面白いかは分からないけど(^^;
トリテ+ハンド構築
配り切りでないトリテなら、ハンド構築と組み合わせることもできる。
ジャーマンホイストやシュナプセン、トレセッテ(二人戦)とか。
あるいは、バスシュティッヒのような変態トリテも。
ちょっと変わったものとして、ドラフトレディなんてものもある。
これはブラックレディ+ドラフトで、ドラフトで手札を構築するのが面白い。
(なお、自分はめちゃくちゃ弱かった・・・)
トリテ+競り
これはもうおなじみ。
ビッドのあるトリテは星の数ほど。
トリテは手札運によるものもあるので、相性がいいんだと思う。
トリテ+ギャンブル
ギャンブルで重要になるのは、勝負に参加するか、それとも降りるか。
そういった要素が入ってるトリテは、ルーやツーペンなどがある。
カマリもこの一つ。
トリテ+協力関係
プレイヤー間に協力関係があるかどうかで考えることもできる:
- 個人戦
- ペア戦
- 複数陣営
- 全員協力
個人戦のトリテは星の数ほどあるし、ペア戦だとコントラクトブリッジなど、複数陣営だとスカートなど、全員協力だとカムレッドなどがある。
トリテ+正体隠匿
複数陣営のトリテだと、正体隠匿要素の入ったものも。
ナポレオンやブリスコラ・ブジャルダなどがそう。
トリプルクラウンというのもある。
こんな感じで、いろいろメカニクスを組み合わせやすいんだと思う。
新しいトリテを考えるときも、他のメカニクスと組み合わせるところから考えてもいいのかも。
今日はここまで!