ツイッターでエゴサしてたら、揚子江さんの次のツイートが目に入った:
そうそう、このブログの3つの記事も、僕がモダンアートを見直す大きな大きなきっかけになった。
— 揚子江(ヨースコー) (@yosukoedo) 2018年8月9日
感謝です。
嫌いなゲームや苦手なゲームは攻略法を調べると面白いかもしれない。https://t.co/o7DdSn3UqX
この記事を書いたのも、もう3年近く前になるのだけど、けっこう読まれているみたいで嬉しい。
で、この「嫌いなゲームや苦手なゲームは攻略法を調べると面白いかもしれない」というツイートを見て、ハッとした。
そう、嫌いなゲームや苦手なゲームって、なんでそれが嫌いだったり苦手だったりするのかというと、どうプレイしたらいいのか分からない、どこが面白い要素なのか分からない、どうやれば勝てるのか分からないということが多いんじゃないかな、と。
(まぁ、最初に遊んだときにボコられたり、自分の好きなようにプレイしたら怒られたりして嫌いになる、という「人」が原因のケースもけっこうありそうだけど・・・
そして、「苦手だ」と明言する人が多いように感じるゲームの一つが、トリックテイキングゲーム。
通称、「トリテ」。
好きな人は好きだけど、嫌いな人はとことん嫌いというか。
曰く、
- そもそも、専門用語がよく分からない
- 専門用語があって、初心者おことわりみたいな雰囲気が嫌
- どのカードを出したらいいのか分からない
- カウンティングしないとダメとか無理無理
- 変なプレイをしてゲームを壊しそう・・・
- なんでフォローしないとダメなの?
- テーマもないし、地味
- トランプ(笑)
いや、言いたいことはすっごいよく分かる。
自分もトリテ嫌いだったから。
けど、トリテ好きになった今となっては、もし上記のような理由でトリテを嫌っているのだとしたら、ちょっともったいないかな、と。
「分かってくれば」、すごく手軽に遊べるとても面白いゲームなのに。
もちろん、この「分かってくれば」の壁が大きいのだけど。
ということで、その最初のつまずきを取り除いていければと思う。
そもそも、トリックテイキングゲームって何?
おそらく、トリックテイキングゲームをまったく知らない人がこの記事を読むことはないと思うのだけど、一応、念のため。
トリックテイキングゲームは、カードゲームのジャンルの一つ。
基本的な流れは、以下の通り:
各自に何枚かの手札が配られ、順番に手札からカードを1枚ずつ表向きで出していく。
全員が1枚ずつ出し終えたら、出されたカードで強さ比べを行って、一番強いカードを出していた人が、その強さ比べでの勝者となる。
これを何度か繰り返し、ゲームごとに決められた方法で、最終的なゲームの勝者(あるいは敗者)を決定する。
これでなんで「トリックテイキングゲーム」という呼ばれ方になるかというと、上記の強さ比べのことを「トリック」と言い、それの勝者になることを「トリックを取る」と言うから。
トリックを取る(テイクする)ゲームなので、トリックテイキングゲーム。
トリックテイキングゲームの「イメージ」
さて、そんなトリックテイキングゲーム、テーマもヘッタクレもない感じだけど、それだと無味乾燥すぎて取っつきにくいので、ここではまず、トリックテイキングゲームの「イメージ」について話してみたい。
イメージして欲しいのは、争い合ういくつかの大国。
プレイヤーは、その大国の支配者。
支配者の元には当然何人もの家来がいて、それらがつまり手札。
その家来たちを使って他国と勝負を行い、自分の国を勝利へと導こう、というのが、ゲームの基本的な目的。
まぁ、手札を出し合って勝負を行い、相手を打ち負かすというゲームなので、シャドバやDXMと同じく、ある種のTCGと言うことが出来るかもしれない。
イメージしろ!
※イメージしろとは (イメージシロとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
そして、争いといっても、そこにはいろいろな種類がある。
軍事による武力の争いだったり、宗教による影響力の争いだったり、商業による経済的な争いだったり、農業による生産力の争いだったり。
これらを表しているのが、各カードのマーク(スート)。
スペードは「軍事」、ハートは「宗教」、ダイヤは「商業」、クラブは「農業」を表していると考えるといい。
(※一説では、スペードは剣、ハートは聖杯、ダイヤは貨幣、クラブは棍棒を意味していると言われてる)
また、家来にも当然、優秀な家来からダメな家来までいるわけで、それを表しているのが、各カードの数字(ランク)。
当然、ランクの高い家来ほど強く、ランクの低い家来は弱い。
さて、ある国が何かしらの家来で争いを仕掛けてきた。
それに対して、他の国も同様に家来を出し、その優秀さで勝負を行うことになる。
ここで重要なのが、最初に出てきた家来と別ジャンルの家来を出しても、勝負にならないということ。
例えば、軍事の争いに宗教家が出てきても意味ないし、逆もまた同様。
これが「フォローできなければ(基本的には)負け」というルールを意味している。
さらに、出せる家来がいるのに出さないのは、たとえそれで勝てないとしても、「卑怯」ということになる。
これが「マストフォロー」というマーク縛りのルールになってくる。
そんな感じで、お互いの家来を正々堂々と戦い合わせ、そして自国を勝利へと導くゲームと考えると、いろいろなルールがとてもスッキリと腑に落ちると思う。
ところで、軍事、宗教、商業、農業と、4つの争点を示したわけだけど、このどれもが常に対等とは限らない。
例えば、軍事を使えば他の争いであってもそれを無視して勝利できるかもしれない。
叩き切ってしまえばいいわけだから。
そんなふうに、他の争いよりも強い争いというのが、「切り札」ということになる。
もちろん、「正々堂々と」戦わないといけないので、出せる家来がいるのならその家来を出すしかないのだけど。
さらには、このテーマだけ聞くと、強い家来(=強い手札)を持ってるかどうかで勝負が決まってしまうように思えるかも。
実際、どれくらいトリックに勝てるかは手札による部分がけっこう大きいので、そのバラツキを減らすために、何回も行ってその結果で勝負を決めたりする。
あるいは、もっとシステマチックに「ビッド」を行うことでこの問題を解決しようとしているゲームもあったり。
例えば、各自が自分の手札を見て何回トリックをとれるかを宣言し、一番多い回数を宣言した人が「攻め」、それ以外の人は「受け」に回るという「攻防戦」の仕組みが入ったトリテがあったりする。
この場合、攻撃側は宣言した回数以上トリックをとれれば勝ちで、逆に、防御側は宣言された回数以上トリックをとられなければ勝ちになる。
他にも、自分の手札で何回トリックをとれるかを各自が宣言し、宣言通りにとれれば勝利ポイントをもらえ、そうでなければ勝利ポイントを失う、というトリテもあったりする。
この場合、大国の支配者であると同時に、実は裏社会のボスでもあり、裏で自分の国がどれだけ勝てるかをギャンブルしていて、そっちの方が重要である、というような 妄想 イメージをするといいと思う。
・・・厨二病じゃないよ?
専門用語・・・
次に、トリテの専門用語について。
これに関しては、以前にも書いたり。
ただ、結論から言えば、覚えてしまった方がいいと思う。
なぜかというと、まず、そもそもそんなに数があるわけでもないし、覚えてしまった方がいろいろ便利だから。
もちろん、何も知らない初心者に対して専門用語を使うのは間違ってると思うけど。
まず、カードに関して。
数字(A, 2, ... , 10, J, Q, K)は「ランク」、マークは「スート」と呼ぶことが多い。
これは単に英語でそう言うから。
それと、他より強いスートのことを「切り札」もしくは「トランプ」と言ったりする。
(※「トランプ」というのは本来「切り札」という意味)
あと、カードを出すことを「プレイ」すると言ったりする。
これは、将棋を「指す」、囲碁を「打つ」と同じで、そういうもんだと割り切った方がいい。
割り切った方がいいという意味では、「トリック」も同じ。
カードを出し合ってする強さ比べを「トリック」と言うわけだけど、なんで「トリック」なの?と言われると、答えられない。
それを不満に思う声も多いと思うんだけど、よくよく考えると、例えば将棋や囲碁で「対局」というのかと分からないし(「局」ってなに?)、麻雀の「場」(東場とか一本場とか)というのもよく分からない。
だから、「そう呼ぶもんなんだ」と割り切ってしまった方が、スッキリする。
「トリック」よりはスッキリすると思う同様の言葉としては「ディール」がある。
これは、各自に手札を配り、トリックを複数回行って手札を使い切るまでのこと。
普通は手札による偏りを均すために、複数ディール行って勝負を決めることになる。
あとは、「リード」と「フォロー」、それに伴って、「マストフォロー」「メイフォロー」「マストノットフォロー」といったところ。
これは英語で書けば簡単で、"lead"と"follow"、つまり、「導く」と「従う」ということ。
一番最初にプレイするから「リード」する(=導く)となり、そのあとにプレイするから「フォロー」する(=従う)となる。
先程のイメージで言えば、導くというのは、どの分野で競うかを決めるということになり、従うというのは、つまり、決められた分野での勝負にのるということになる。
そして、必ずフォローしないとダメなのが「マストフォロー」("must follow")、フォローしなくてもいいのが「メイフォロー」("may follow")、逆に、フォローしちゃいけないというゲームもあって、それは「マストノットフォロー」("must not follow")と呼ばれたりする。
あとは、リードするプレイヤーを「リードプレイヤー」や「リーダー」、フォローするプレイヤーを「フォロワー」と言ったりするくらい。
それと、自分のとるトリック数とかを宣言する「ビッド」とか。
上で挙げた用語を改めてリストアップしてみれば、
- ランク
- スート
- 切り札(トランプ)
- プレイ
- トリック
- ディール
- リード
- フォロー
- ビッド
と、こんなもん。
そんなに多くないでしょ?
あとは、「ラフ」とか「ボイド」とか、慣例的に使われてる表現がいくつかあるけど、あまり気にしなくていいと思う。
(余談だけど、「ラフ」の綴りって、"Ruff"なのか・・・ Ruff (cards) - Wikipedia)
長くなったので、プレイングに関しては、また明日。
今日はここまで!
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