以前、iOSで遊ぶトリテのススメ。 - いものやま。でも少し紹介したのだけど、イタリアの伝統的なトランプゲームである「トレセッテ」の2人用のルールをちゃんと紹介してみたいと思う。
というのも、日本語で書かれている「トレセッテ」のルールは、4人用、もしくは、4人用のペア戦のものがほとんどだから。
この4人用のルールについては、『トランプゲーム大全』では「ゲーム会ではあまり評判がよくなかった。というのも、単に点数のあるカードをたくさん取ればいいだけだから」と、イマイチの評価。
けど、2人用のルールはめちゃくちゃ面白いと思うので、ぜひ2人用のルールを試してみてほしい。
カードの説明
トレセッテはイタリアの伝統的なトランプゲームなので、イタリアのカード構成を使う。
具体的には、使うカードは各スートの3、2、A、K、Q、J、7、6、5、4で、合計40枚。
カードの強さは、3 > 2 > A > K > Q > J > 7 > 6 > 5 > 4となっている。
カードにはそれぞれポイントがあって、このポイントを得るのがゲームの目的。
- Aは1点
- 3、2、K、Q、Jは1/3点(端数切り捨て)
- 7、6、5、4は0点
一番点数の高いAが一番強いカードではない、というのが肝心なところ。
そこで、このAをいかに取ることが出来るのかという駆け引きが生まれてくる。
ディール
ディーラーはカードをよくシャッフルし、相手と自分に手札として10枚ずつカードを配る。
そして、残りの20枚は山札として裏向きのまま置いておく。
ディーラーの相手プレイヤーが最初のリードプレイヤーになる。
プレイ
リードプレイヤーから順に、カードを1枚ずつプレイする(これをトリックという):
- リードプレイヤーは、どのカードをプレイしてもいい
- 相手プレイヤーは、リードプレイヤーのプレイしたカードと同じスートのカードが手札にあれば、必ずそのスートのカードをプレイしなければならない。(マストフォロー)
もしなければ、どのカードをプレイしてもいい。
カードが1枚ずつプレイされたら、強さを比べてトリックの勝者を決める:
- 同じスートがプレイされたら、より強いカードをプレイした方がトリックの勝者
- 違うスートがプレイされたら、リードプレイヤーがトリックの勝者
トリックの勝者は、プレイされた2枚のカードを獲得し、裏向きに伏せて自分の手元に置いておく。
もし、山札が残っている場合、トリックの勝者から順に、1枚ずつ手札の補充を行う。
山札からカードを1枚ドローして、相手プレイヤーにドローしたカードを見せてから、ドローしたカードを手札に加える。
そして、トリックの勝者が次のリードプレイヤーになり、次のトリックを行う。
これを、手札がなくなるまで繰り返す。
得点計算
手札がなくなったら、得点計算を行う。
それぞれのプレイヤーは獲得したカードのポイントを数え、そのポイント分の点数を得る。(端数切り捨て)
また、最後のトリックに勝ったプレイヤーは、追加で1点を得る。
得点は、チップなどで記録しておくといい。
もし、いずれかのプレイヤーの得点が21点以上になったら、ゲーム終了。
より得点の高いプレイヤーが、ゲームの勝者になる。
そうでなければ、ディーラーを交代し、次のディールを行う。
この2人用ルールのキモは、手札を補充するときに、ドローしたカードを相手に見せてから手札に加えるというところ。
このルール(とマストフォローのルール)があるおかげで、相手の手札のどのスートがなくなっているのかという情報が、ずっと保持されることになる。
なので、この情報をうまく使うことで(そして切り札がないということで)、「ずっと俺のターン!」を実現することが出来るというのがすごく面白い。
(逆に、「ずっと俺のターン!」をやられることもあって、そうなると「ぐぬぬ」となるので、それもまた楽しいw)
そして、マストフォローというルールがめちゃくちゃ効いてることも実感できる。
この2人用の「トレセッテ」のルールはホントによく出来ていて、少しでもルールを変えると、途端にほつれが出てくる。
具体的には、以下のとおり:
- マストフォローをメイフォローに変えた場合
- 相手の手札に関する情報がさっぱり引き出せなくなる
- 相手のAを刈り取るといったことが出来なくなる
- ドローしたカードをそのまま手札に加えるとした場合
- ドローしたカードが分からないので、相手の手札のどのスートがなくなっているのかという情報が保持されなくなる
- 切り札ありとした場合
- 相手の手札の特定のスートがなくなっているという情報を使った「ずっと俺のターン!」が出来なくなる
- 1点のカードをA以外に変えた場合
- (ポイントがあってAより強いカード):(ポイントがあってAより弱いカード):(ポイントがないカード) = 2:3:4という絶妙なバランスが崩れる
そんな感じで、すべてのルールがうまい具合に働いているがホントに素晴らしい。
以前紹介したシュナプセンもいいゲームだけど、それよりも圧倒的にシンプルなルールで、ここまでしっかりと考えさせられるというのは、すごいと思う。
ちなみに、以前紹介した通り、この「トレセッテ」はiOSのアプリでも遊ぶことが出来る。
なので、まずはアプリで試してみるのもありかもしれない。
今日はここまで!
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