いものやま。

雑多な知識の寄せ集め

2019年を振り返ってみた。

f:id:yamaimo0625:20190125223301j:plain

早いもので今年ももう終わり。
ということで、毎年恒例の振り返り。

ただ、今年はブログ以外にもいろいろあったので、ブログに限らずに振り返りをしてみたい。

去年の振り返りは以下:

仕事

まずは仕事の話から。

これはブログやツイッターでも何度か書いている通り、酷いもんだった。

体調が悪くてどうしようもなくて、精神的にもボロボロ。
おまけにボスから完全に嫌われてしまって、もうダメだった。
もちろん、転職活動をする気力もなかったので、次も見つけられずに6月末で退職。

ボスは正直どうでもいいんだけど、残ったメンバーが何事もなく過ごせてるといいんだけどなぁ・・・

どこで読んだんだか、「コントロールできないものをコントロールしようとすると、人は不幸になる」というのがあった。
それを考えると、自分に非があるなら自分を変えるしかないし、自分に非がないのなら別の場所に移るしかない。
なんで悪くない方が逃げなきゃならないんだという憤りは感じるけど。
(憎まれっ子、世にはばかる!)

ただ、そのとき、自分のやってきた仕事が蛸壷すぎたので、転職先がないというのが大きな問題だった。

組込み系の会社だったので、そこだけ見れば転職先はいろいろあるんだけど、自分がやってたのは組込み開発向けのIDEを作る仕事だったので、そんなことやってる会社は(半導体屋さんの自家製ツールを除いて)国内だとそこくらいしかない。
(競合はどれも外資の企業)
なので、市場では評価されず、社内でしか評価されないスキルセットになってた。

なので、未経験で別分野に移るしかない状態。
次は今回のようにならないためにも、他にも競合がいるような活発な市場に転職しないとなぁ。
市場価値を高め、いつでも転職できるようにならないと。

同人誌制作&イベント参加

今年一番大きかったのはコレ。

退職して、体調を元に戻しつつ充電&勉強する時間がとれたので、前々からやってみたかった同人誌制作(印刷所を使ったもの)に挑戦できた。

初めて印刷所を使うのはドキドキだったけど、無事本が出来てとてもよかった。
かなり刷りすぎてしまったけどw

https://imoarai.booth.pm/items/1680570

それに、 \TeXを使って本を作るノウハウもだいぶ得ることができた。

まぁ、まだまだ分からないことも多いけどw
実際、上にまとめた内容もjsclasses(bxjscls)を使うものになってるので、jlreqだと違う部分もけっこうあるし(^^;

また、技術書典、文学フリマ、技書博、コミケと連続で参加して、ふりかえりをすることで出店のノウハウもだいぶ溜まった。

この前のコミケでだいぶいい感じになったので、出店ノウハウのまとめ記事も書いてみたい。

勉強会&LT

転職を考えるために勉強会やLTにも参加してみた。

今年発表したLTは次の2つ:

今までLTで発表したことなんてなかったので、いい経験になった。

そして、課題だなと思ったのは、発表資料の作り方。
上の資料はKeynoteで作って、見た目もけっこうオシャレな感じなんだけど、作るのにちょっと時間がかかりすぎた感じが。
バージョン管理も難しいし。
なので、Beamerを使って発表資料を作れるようになりたいところ。
(ただ、Beamerも少し触ってはみたけど、 \TeX同様にけっこうクセが・・・)

体調管理

体調管理に関しては、整体に通って体の歪みを調整しつつ、プールに行って泳ぐようにしてた。

水泳に関しては、TIスイムを習得して、クロールで500m、平泳ぎで1,000m泳ぐのを年初の目標にしてた。

TIスイムでの泳ぎ方はだいぶ分かってきた感じ。
力を抜いて流れるように泳げるようになったと思う。
ただ、息継ぎがなかなか上手くできなくて、今も試行錯誤中。。。

距離に関しては、ちょっと目標を大きくしすぎた(^^;
とりあえず、クロールは100m、平泳ぎは200〜300mくらいなら止まらずに泳げるようになった。
クロールも息継ぎの問題が解決すればもっと距離が伸ばせると思う。

他、SleepTownを使って睡眠リズムを整えるようにしてみた。

勉強会などがあると時間通りに寝れないことが多いけど、けっこういい感じ。
これは続けていきたい。

また、ラジオ体操をやるようにしてみた。

この効果はけっこう大きくて、体をかなり伸ばせてる感じがする。
ラジオ体操をやり始めてから、整体で腰回りがやわらかくなったと言ってもらえたし。
これも続けていきたい。

他にも試したこととして、スロー空手ストレッチときくち体操がある。

肩こりすっきり スロー空手ストレッチ

肩こりすっきり スロー空手ストレッチ

  • 作者:髙橋 優子
  • 発売日: 2017/07/28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

どちらも効果はありそうなんだけど、けっこう大変なので続いてない。
肩こりやばいのをどうにかしないとなので、スロー空手ストレッチをまたやってみようかな。

自転車

体調管理に関連して、自転車の話。

今年は全然ロードバイクに乗れなかった。
というのも、4月頭に落車して、ロードバイクに乗るのがちょっと怖くなってる。。。

お花見ライドで権現堂に行こうとしてたんだけど、江戸川土手の関宿橋の手前でタイヤを溝に取られて落車。
それだけならまだよかったんだけど、後ろを走ってた父親を巻き込んでしまって。
父親は顔から突っ込んでしまったみたいで、ちょっと意識が朦朧としてて、おまけに目の横から血も流れてたので救急車。。。
幸い、大きな怪我ではなくて後遺症とかもなかったのでよかったんだけど。。。

加えて言うなら、ブログでも何度か書いてるけど、ロードバイクに乗ったときに頭痛が起きることが多いというのもある。
原因はおそらく肩こり。
今年、肩こりがおそらく原因で頭痛になることが多かったんだけど、ロードバイクに乗るときも首と肩の筋肉をかなり使うので。

運動としてロードバイクはかなりいいんだけど、そんなわけで、今後もちょっと足が遠のいてしまいそう。

データフロー言語

今年やってみたかったこととして挙げていたデータフロー言語。
一応、Lucid本の2章は翻訳した。

けど、同人誌を出すために \TeXの勉強を優先させたので、それ以外はほとんどできなかった。

今後も \TeXや数学、機械学習の勉強を優先させたいので、優先度はかなり下がりそう。
おそらく10年くらいの長いスパンでやっていくことになるんだろうなぁ。
(誰かがやってくれればいいんだけど)

勉強

退職したり転職を考えたことで、自分自身のふりかえりをやったりしたんだけど、思ったのは、自分はやっぱり数理最適化が好きだなぁということ。
理論と応用に跨がるこの分野は、理論的な楽しみも応用的な楽しみもあって面白い。
そして、そうやって知ったことを他の人に伝えるのも好きだなということ。
まぁ、そうじゃなきゃブログとか同人誌とか書いたりしないわけだけどw

その上で、どうやったら読んでもらえるのかを考えたときに、結城先生の「読者のことを考える」というの大事なんだけど、その一歩手前に、まずは読んでもらえるようにするというのも大事だと思った。
どんなにいい内容のものでも、読んでもらえなければ、存在しないのと同じだから。

そして、じゃあどんな本なら読んでもらえるのかというと、内容はもちろん、著者が信用できる人であることが重要なのかな、と。
内容も大事だけど、まずは人が大事。

そう考えたときに、やっぱり軸になるもの、そして専門性が必要だよなと思った。
「ふりかえりの人」とか「わかばちゃんの人」とか「Vimの人」とか「OAuthの人」とか。
自分の場合、これは数理最適化になると思う。

けど、残念ながら数理最適化についての専門性は自分はまだまだ弱い・・・
一応、修論(錐線形計画での単体法的アルゴリズム)も書いたけど、基礎力が低いのと知識量が少ないので、もっと強くならないとという感じ。

ということで、数理最適化に関する勉強を少しずつ始めてる。

それと、数理最適化やその応用の一つである機械学習の分野で使われてるのは(残念ながら)Pythonなので、Pythonも勉強中。
まぁ、勉強すればするほどPythonが嫌いになっていってるんだけど・・・
この潔癖症(実用性よりも設計の美しさを優先させてしまう)も直していかないとなんだけどなぁ。。。


そんな感じで、いろいろ大きな変化があった年だった。
ただ、今年は体の向きを変えただけで、まだ先には進めてない感じなので、来年はその新しい方向に向かって一歩を踏み出していきたい。

今日はここまで!
よいお年を!

C97にサークル参加してきた。

f:id:yamaimo0625:20190621155528j:plain

12/29(日)にコミックマーケット97の2日目にサークル参加してきたので、いつも通りふりかえり。

今回やったカイゼン

技書博2でいろいろ課題が見つかったので、今回は設営周りでいろいろカイゼンしてみた:

  • 新しいディスプレイ棚の用意
  • レイアウトの工夫
  • ビッグサイズのコミック収納袋の活用
  • 設営/撤収チェックリストの小型化
  • 文房具入れの小型化

新しいディスプレイ棚

本を平置きにしてると、遠くからは表紙が見えないのでアピールが弱い。
そこで本を立てて展示するディスプレイ棚が必要になる。

今まで使ってたのは、スマート本棚というもの。

ハゴロモ スマート本棚S No.82067

ハゴロモ スマート本棚S No.82067

  • 発売日: 2018/09/29
  • メディア: オフィス用品

ダンボールで出来ていて軽く、組み立てればかなりいい感じの展示になる。

ただ、実際に使ってみて以下の問題があった:

  • 組み立てや片付けがそれなりに大変
  • 運搬中に折れてしまわないように気をつける必要がある

組み立てや片付けは5〜10分もあれば十分なんだけど、設営や撤収は時間との勝負なので、出来ればもっと短くしたい。
あと、組み立てや片付けに作業スペースが必要なのも地味に痛い。

あと、ダンボールで軽いのはいいんだけど、やっぱり強度が不安。
運搬中に折れてしまわないかが怖くて、100均のプラスチック鞄を使ってたんだけど、これがけっこう扱いにくい。
空きがあったのでここに文房具類も一緒に入れてたんだけど、取り出しにくいし、置く場所を用意する必要も出てくる。

そこで、今回は以下の記事を参考に、新しいディスプレイ棚を用意してみた:

折り畳みディスプレイ棚の作り方

使ったのは100均のワイヤーネット(44x29.5cm)3つと、ワイヤーネット専用フック、それとクリップ。

まずはワイヤーネットを紙とセロハンテープを使って次のように繋ぐ:

f:id:yamaimo0625:20191230152347p:plain

これをクリップで留めればこんな感じ:

f:id:yamaimo0625:20191230152426p:plain

ここにフックを付ければ完成!

f:id:yamaimo0625:20191230152456p:plain

本を展示するとこうなる:

f:id:yamaimo0625:20191230152520p:plain

ちなみに、折りたためばコンパクト:

f:id:yamaimo0625:20191230152557p:plain

これがとてもいい感じだった。

  • 組み立ても片付けも簡単
  • 頑丈
  • 安い(税込550円)

ダンボール製のスマート本棚に比べると重いけど、ワイヤーネットなので取り扱うには十分に軽い。
かなりオススメできるので、試してみて欲しい。

レイアウト

技書博2のふりかえりで、ディスプレイ棚が奥だと手にとってもらえないという気づきがあった。

そこで、今回はこんなレイアウトにしてみた:

f:id:yamaimo0625:20191230153450p:plain

  • ディスプレイ棚は手前に
  • ディスプレイ棚の後ろは物置として利用
  • ディスプレイ棚の横に平置き

ちなみに、上記のディスプレイ棚はそのまま置けばちゃんと手前に出るようにデザインしてある。
しかも、B4ポスターを後ろに置いたときにちょうどいい高さw
完璧w

実際、このレイアウトのおかげでディスプレイ棚の見本をかなり手にとってもらえた。

なお、平置きは見ての通り横に3種類並べると限界なので、4種類以上並べる場合は少し工夫が必要になってきそう。
(一応、縦に2種類は並ぶので、6種類までなら並ぶはずだけど、奥は少し不利・・・)

ビッグサイズのコミック収納袋

既刊に関して、とりあえず濡れるのだけは避けたかったので、今まではビニール袋でグルグル巻きにしてたんだけど、そのせいで取り扱いが厄介だった。
取り出せばビニール袋がゴミとして残るし、撤収も面倒。

そこで、100均でビッグサイズのコミック収納袋を買ってきて、使ってみた。

f:id:yamaimo0625:20191230160824p:plain

サイズぴったりというわけではないんだけど、入れるとこんな感じ:

f:id:yamaimo0625:20191230160853p:plain

このおかげで、かなり取り扱いが楽になった。

設営ではとりあえずキャリーバッグから出してそのへんに積んでおけるし、撤収のときもポイポイっと袋の中に入れるだけ。
ゴミも出ない。
取手もあるので持ちやすく、中身の確認も楽ちんなのでとても便利。

これはもっと早く導入すべきだった。

設営/撤収チェックリストの小型化

技書博2では設営/撤収チェックリストをA4の紙に印刷して使ってたんだけど、これがけっこう邪魔だった。
なので、A7サイズに小型化して、ネックストラップに入れるようにしてみた。

f:id:yamaimo0625:20191230162115p:plain

使ってみて、これなら邪魔にならないことを確認できた。

ただ、もうだいぶ慣れてきたので、チェックリストなしでも普通に設営/撤収できる感じ。
お守り程度かも。
(テンパると頭が真っ白になる可能性はあるので、そういうときには役に立ちそう)

文房具入れの小型化

今まではスマート本棚を入れてたプラスチック鞄に文房具類も入れてたんだけど、新しいディスプレイ棚を用意したことで、文房具は別の小さな袋にまとめることができた。
そして、やっぱりその方が取り扱いが圧倒的に楽。

今までは設営/撤収のときにプラスチック鞄の置き場所に困ることが多かったけど、新しいディスプレイ棚を用意してプラスチック鞄を使わなくしたことで、かなりいろいろな問題を解決できた感じ。

その他

コミケは参加者の絶対数が圧倒的に多いので、やっぱりいろんな人がいる。
そのおかげか、手に取ってもらえる機会が多くて、とてもよかった。

次の夏コミ?(GWに開催)は時期の関係で申し込んでないけど、冬コミは(当選したら)参加したいな。


宣伝!
コミケで頒布した本はBOOTHでも頒布してます!

今日はここまで!

『lain, anonymous insight note』と参考文献の紹介。

f:id:yamaimo0625:20190918075457j:plain

第二回技術書同人誌博覧会で頒布した新刊『lain, anonymous insight note』(以下、『lainノート』)と、その参考文献を紹介したい。


これはヲレの話を聞け〜! 技術の薄い本、著者からのオススメ Advent Calendar 2019 - Adventarの24日目の記事です。
今更感があるけど(^^;

lainノート』について

昨今、話題になることが多い人工知能
この『lainノート』は、そういった人工知能(技術)に対して、「自分たちが本当に欲しかったものって、それなの?」という疑問をぶつけ、アニメ『serial experiments lain』(以下、『lain』)を通して、自分たちが本当に欲しかったものは何なのかを知るための哲学的な話題、疑問を提供している。

人工知能のための哲学塾』の著者、三宅陽一郎先生も主張する通り、人工知能の研究は「科学」「工学」「哲学」の交わるところに存在するので、挙げた参考文献もいろんな分野に渡っている:

  • lain』関連
    • visual experiments lain
    • scenario experiments lain the series
  • 哲学関連
    • てつがくフレンズ 女の子の姿になった哲学者たちの哲学学園
    • ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。
    • 哲学散歩道 身体から眺めた世界
  • 数学、技術関連
  • 人工知能関連
  • その他

これらの本(やアニメ)も非常に面白いので、ぜひ読んで(見て)もらいたい。

なぜ哲学?

その前に、そもそもなぜ哲学なのかについて。

哲学っていうと、なんかよく分からない概念を屁理屈つけてこねくり回してて、何の役にも立たない印象があるわけだけど(そして、残念ながらそれはかなり正しいんだけど)、エンジニアにとってはまったく役に立たないわけではない。

問題解決って、実は2つのフェーズが必要。

  1. 問題を見つける
  2. 問題を解く

そして、技術というのは2.をするためのものなので、これだと問題解決の半分しかできていない。
では、1.をするためのものがなにかというと、それが哲学になる。

哲学とは何かという定義は難しいんだけど、「当たり前と思っていたことに、実は問題が隠れていたことを見つける」という側面が哲学にはある。
(そして、可能ならその問題を解決するような新しい思考の枠組みを提供する)

「問題を見つける」のが哲学、「見つけられた問題を解く」のが科学と考えてもいいかもしれない。
(もちろん、名を残すようなすごい人はその両方を行っている;哲学者は問題を見つけた上でそれに対する自身の回答(思想)を与えているし、科学者は新しい問題を自ら見つけて新しい分野を切り開いてる)

なので、哲学が役に立たないように見えるのは、問題を見つけることには成功するんだけど、悲しいかな、その問題を解決するだけの能力が足りてないことが多いから。
2.の能力が備わってないと、こうなる。

一方、「顧客が本当に欲しかったもの」というギャグが示す通り、1.の能力が足りてないと、問題が正しく捉えられていないから、出来上がったものは残念なものにしかならない。
正しく作られてるけど妥当ではない、というのは、残念ながらよくあること。

もちろん、哲学の内容がそのまま役に立つことは少ないけど、哲学を学ぶことで「なんでこの人はこれを問題と考えているんだろう?」と否応なしで考えさせられるので(それくらい「当たり前すぎること」を哲学者は不思議がる)、1.の能力を高めるのにオススメ。

あと、今まで考えたこともなかったようなことを考えられるので、純粋に楽しいというのもあるw

lain』関連

さて、ここからは参考文献の紹介。

serial experiments lain

まずは『lain』から。

1998年に放送されたアニメで、インターネットの普及もこれからという時代に、ネットワーク世界が現実世界に浸食してくるという衝撃的な内容を描き出している。
放映から20年以上経った今見ても全然面白い。
未見の方にはぜひとも見てもらいたい。

visual experiments lain

visual experiments lain/ビジュアルエクスペリメンツ レイン

visual experiments lain/ビジュアルエクスペリメンツ レイン

lain』のファンブックで、各話のあらすじ、解説や、インタビュー記事などが載っている。
ファンなら必携の1冊。

lainノート』ではこの本の11話の解説などを引用してる。
けっこう重要な指摘がさらっと書かれてるw

scenario experiments lain the series

scenario experiments lain/シナリオエクスペリメンツ レイン[新装版]

scenario experiments lain/シナリオエクスペリメンツ レイン[新装版]

脚本担当の小中氏による脚注付きの脚本と、インタビュー記事が載ってる。
脚注にもいろいろ情報が載ってて、読み応えバツグン。

lainノート』では本編からの引用するときに参考にした。
また、インタビュー記事(座談会)での小中氏の発言からも引用している。

哲学関連

てつがくフレンズ 女の子の姿になった哲学者たちの哲学学園

てつがくフレンズ 女の子の姿になった哲学者たちの哲学学園

てつがくフレンズ 女の子の姿になった哲学者たちの哲学学園

  • 作者:飲茶
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2017/09/16
  • メディア: 単行本

飲茶さん原作の哲学紹介4コママンガ。
主に古代ギリシャの哲学者が紹介されてる。
中盤からの、哲学的な議論を交えたストーリーはとても面白い。

以下の記事も参照:

lainノート』ではイデア論に関して参考にした。

ちなみに、飲茶さんの本はとても面白くて分かりやすいので、哲学入門にとてもオススメ。

史上最強の哲学入門 (河出文庫)

史上最強の哲学入門 (河出文庫)

史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち (河出文庫 や 33-2)

史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち (河出文庫 や 33-2)

ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。

ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。

ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。

原田まりるさんの小説で、主に実存主義の哲学者を紹介している。

永井均先生は『<子ども>のための哲学』で哲学を4つに分けている:

  • 子どもの哲学:存在を問題にする(なぜ存在するのか?)
  • 青年の哲学:人生を問題にする(どう生きるべきか?)
  • 大人の哲学:社会を問題にする(社会はどうあるべきか?)
  • 老人の哲学:死を問題にする(死とは何か?)

実存主義はこの青年の哲学にあたると言え、いろいろ参考になる人も多そう。

以下の記事も参照:

lainノート』では実存主義ーー特にサルトルについて参考にした。

哲学散歩道 身体から眺めた世界

拙著w
「正しさ」「関係性」「身体性」の3つについて議論している。

lainノート』の4章〜6章はこの本での議論がベースになっているので、議論の詳細を追いたい場合はぜひ参照してもらえれば。

数学、技術関連

最適化法

最適化法 (工系数学講座 17)

最適化法 (工系数学講座 17)

数理最適化の教科書。
普通の数学書に比べるとだいぶ丸いと思うんだけど、それでも数学書なので、読むのはそれなりに大変かも。
人工知能技術は数理最適化の応用の一つなので、結果だけでもさらっと掴んでおくといいと思う。

lainノート』では、数理最適化とは何かの説明で参考にした。

深層学習

深層学習 (機械学習プロフェッショナルシリーズ)

深層学習 (機械学習プロフェッショナルシリーズ)

  • 作者:岡谷 貴之
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/04/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

深層学習の入門書。
と言いつつ、自分はまだニューラルネットワークの部分しか読めてないんだけど(^^;
(なかなか読む時間がとれない)

lainノート』ではニューラルネットワークの説明で参考にした。

パターン認識のためのサポートベクトルマシン入門

パターン認識のためのサポートベクトルマシン入門

パターン認識のためのサポートベクトルマシン入門

  • 作者:阿部 重夫
  • 出版社/メーカー: 森北出版
  • 発売日: 2011/04/09
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

深層学習の前に流行っていたサポートベクトルマシンの入門書。
理論的な部分がしっかり書かれてる。
KKT条件などが出てくるので、それについては前述の『最適化法』を参考にするといい。

lainノート』ではサポートベクトルマシンの説明で参考にした。

強化学習

強化学習

強化学習

強化学習の教科書。
言わずと知れたSutton本。

自分も勉強した内容を以下の記事にまとめている:

lainノート』では強化学習の説明で参考にした。

人工知能関連

人工知能のための哲学塾

人工知能のための哲学塾

人工知能のための哲学塾

  • 作者:三宅 陽一郎
  • 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
  • 発売日: 2016/08/11
  • メディア: 単行本

人工知能のための哲学塾 東洋哲学篇

人工知能のための哲学塾 東洋哲学篇

  • 作者:三宅陽一郎
  • 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
  • 発売日: 2018/04/20
  • メディア: 単行本

三宅陽一郎先生による、人工知能を作るにあたって考える必要が出てくる哲学を紹介した本。

以下の記事も参照:

lainノート』ではフレーム問題の説明と、人工知能の欲望に関する話で参考にした。
また、『lainノート』でイデア論の話を出したのは、とある飲み会での三宅先生の発言(人工知能は作るものじゃなくて、存在があるところに生まれてるものなんじゃないか、といった内容)がきっかけになっている。

現れる存在 脳と身体と世界の再統合

現れる存在―脳と身体と世界の再統合

現れる存在―脳と身体と世界の再統合

身体性認知科学の本で、知能とは脳の中に閉じているものではなくて、身体、さらには環境にもにじみ出ているんじゃないか、と主張している。
哲学的でもあるのだけど、それ以上に科学的で、紹介されてる事例も(けっこう古くはなってるものの)面白いので、エンジニアにはぜひ読んでもらいたい。

以下の記事も参照:

lainノート』では人工知能の在り方について問題提起するときに参考にした。

ちょびっツ

ちょびっツ(1) (ヤングマガジンコミックス)

ちょびっツ(1) (ヤングマガジンコミックス)

CLAMPによるマンガ。
パソコンが人型をしている世界を描き出していて、その中で様々な哲学的な話を展開している。

人工知能を考える上で、この『ちょびっツ』は本当に示唆的。
人工知能の哲学に興味がある人は、必見と言っても過言ではないと思ってる。

以下の記事も参照:

lainノート』では、人工知能が人間にとって都合の良くない存在であったとしても、それを愛せるのかという問題提起で引用している。
(それが『ちょびっツ』の最大のテーマでもある)

その他

キーリ 死者たちは荒野に眠る

キーリ 死者たちは荒野に眠る (電撃文庫)

キーリ 死者たちは荒野に眠る (電撃文庫)

壁井ユカコ先生のライトノベル
人工知能とはまったく関係ないんだけど、このシリーズ、小説として普通に面白いんでオススメ。
壁井ユカコ先生の文章、大好き。

lainノート』では、遍在するだけの神様って本当に嬉しいの?という問題提起で引用した。

劇場版カードキャプターさくら 封印されたカード

CLAMPの『カードキャプターさくら』の劇場版。
脚本をCLAMPの大川さんが書いてるので、まさにCLAMPという内容になっている。
これも人工知能には関係ない作品なんだけど、とても面白いのでオススメしたい。

考察記事は以下を参照:

lainノート』では友達に関する議論でさくらのセリフを引用した。
さくらちゃんの精神年齢の高さw(CLAMP作品ではよくあることw)

今日はここまで!

visual experiments lain/ビジュアルエクスペリメンツ レイン

visual experiments lain/ビジュアルエクスペリメンツ レイン

scenario experiments lain/シナリオエクスペリメンツ レイン[新装版]

scenario experiments lain/シナリオエクスペリメンツ レイン[新装版]

てつがくフレンズ 女の子の姿になった哲学者たちの哲学学園

てつがくフレンズ 女の子の姿になった哲学者たちの哲学学園

  • 作者:飲茶
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2017/09/16
  • メディア: 単行本

史上最強の哲学入門 (河出文庫)

史上最強の哲学入門 (河出文庫)

史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち (河出文庫 や 33-2)

史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち (河出文庫 や 33-2)

ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。

ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。

最適化法 (工系数学講座 17)

最適化法 (工系数学講座 17)

深層学習 (機械学習プロフェッショナルシリーズ)

深層学習 (機械学習プロフェッショナルシリーズ)

  • 作者:岡谷 貴之
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/04/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

パターン認識のためのサポートベクトルマシン入門

パターン認識のためのサポートベクトルマシン入門

  • 作者:阿部 重夫
  • 出版社/メーカー: 森北出版
  • 発売日: 2011/04/09
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

強化学習

強化学習

人工知能のための哲学塾

人工知能のための哲学塾

  • 作者:三宅 陽一郎
  • 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
  • 発売日: 2016/08/11
  • メディア: 単行本

人工知能のための哲学塾 東洋哲学篇

人工知能のための哲学塾 東洋哲学篇

  • 作者:三宅陽一郎
  • 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
  • 発売日: 2018/04/20
  • メディア: 単行本

現れる存在―脳と身体と世界の再統合

現れる存在―脳と身体と世界の再統合

ちょびっツ(1) (ヤングマガジンコミックス)

ちょびっツ(1) (ヤングマガジンコミックス)

キーリ 死者たちは荒野に眠る (電撃文庫)

キーリ 死者たちは荒野に眠る (電撃文庫)

技書博2にサークル参加してきた。

f:id:yamaimo0625:20190621155528j:plain

12/14(土)に開かれた第二回技術書同人誌博覧会にサークル「いもあらい。」で参加してきたので、感想とふりかえり。

一般参加してきた第一回の様子は以下から:

驚きの快適空間

まずはこれ。

めっちゃ快適だった!

前回と同様、入場チケットをかなり絞った数で発行していたので、会場が混雑することなく、一般参加の方々がかなりゆったりと見て回っていたのが印象的。
手にとってじっくりと見てもらえるのは、サークル側としてもかなり嬉しい。

チケットでの入場が400人なので、全部で600人くらいかなと想像していて、これは技術書典の1割未満なので、売れる冊数も1割弱が目安かなと思っていたのだけど、それと比べるとけっこう売れたなという印象。
この快適空間が追い風した可能性はありそう。
出店してるサークル数も少ないので、単純には比較できないけど。

あと、お菓子やコーヒーが出る読書室が用意されていて、「なにそれめっちゃ素敵!」と思った。
戦利品をその場で確かめたり、ちょっと休憩してまた見に行ったりとかできるもんね。
入場者数が多いと難しいけど、今の規模だからできる素敵な企画。

さらに、サークル参加者にお弁当が提供された!
しかも、お弁当が配られた時間帯は一般参加者の移動も制限されて、休憩を兼ねながらお昼を食べられるという配慮っぷり。
お弁当が配られても食べる余裕がなきゃ逆に邪魔なわけで、この配慮は嬉しかった。

そんな感じで、全体的にやさしい世界。
サークル参加者にも一般参加者にも快適に過ごしてもらおうとしてるイベント運営には驚くばかりだった。

ちなみに、技術書典はまた別のポリシーがあると感じていて、それは出来るだけ制限は少なくして、より多くの人により多くの技術を届けるということ。
なので、入場数に上限をつけないし、ジャンルのタグ入力もフリー入力を可能にしてるとのこと。
そして、安全性の確保を最優先しながら拡大を図ってるみたい。

今回作った本に関して

今回作ったのは『lain, anonymous insight note』という本。
BOOTHでも頒布中!(と宣伝w)

意識したのは、薄くすることw
表紙込みで68ページと、いい感じの厚さに出来た。

薄くして思ったのは、やっぱり取り扱いが楽w
とらのあなさんに10冊ほど委託したのだけど、手で簡単に持ち運べるのはいいねw

ツイート値引き

今回ちょっと試してみたのが、ツイート値引き。

これは何かというと、購入するときに「〜を購入しました! (BOOTHでのPDF版のURL)」というツイートをしてもらったら、500円引きするという試み。
お客さんにやってもらうのは、QRコードを読み込むことでツイートしてもらうだけ。
(そういうQRコードを作れる;これについてはそのうち)

狙いとしては、

  • 自分がリーチできないTwitterユーザへの宣伝(購入者のフォロワーに宣伝が打てる)
  • 500円値引きで購買意欲を高める
  • 場合によっては購入してくれた方にこちらからアプローチできる

といったところ。
あと、こういった手順がどれくらい手間かも確認してみたかった。

結果としては、宣伝効果はほとんどなし(^^;
イベント中にBOOTHで数件購入があったけど、値引きした額の方が圧倒的に高い。

また、購買意欲を高める効果もほとんどなかった。
ツイート値引きについてお客さんから言及してきたのは数件。
購入の意図を示してくれたときにこちらから提案して、それならとツイートしてくれるケースがほとんどだった。
(そのタイミングで500円引きと初めて知って、喜んでくれる方は多かった)
やっぱり「迷う理由が『値段』なら買え、買う理由が『値段』ならやめておけ」という言葉通り、値段が決め手になってるケースは少ないんだと思う。
(とはいえ、足切りの理由にはなるので、市場の相場からあまりに離れた値段は止めた方がいい・・・)

ということで、プロモーション手段としては微妙だったかも。

ただ、ツイートしてくれたのをエゴサしてリツイートすることで、フォローしてくれて繋がったりというのはあった。
これは地味に嬉しいw
あと、『Math Poker Girl』を購入してくれた方にダウンロードカードを渡しそびれるミスをしてしまったのだけど、ツイートにリプライを送って無事渡すことができたりもした。

それと、副次的な効果で、人がいるところに人は集まるので、ツイートをしてもらっていると「何だろう?」と覗き込んできてくれる人がけっこういた。
そういう意味で、その場での宣伝効果は地味にあった気がする。
ただ、ワンオペで他のお客さんの対応ができなかったので、その宣伝効果はうまく活かせなかった感じ。

技書博くらいに余裕があればお客さんとのコミュニケーションの一環として楽しいかもしれないけど、プロモーション効果はあまりなく、他のお客さんの相手をする時間が減るという意味では機会損失が大きい感じかな。

机の上のレイアウト

自分のスペースはこんな感じのレイアウトにしてた:

見ての通り、「見本」と分かりやすく表示してある。

けど、文フリ東京29のとき今回も、なぜか多くの人が手前に積まれた本から読もうとする・・・
別にそれでもいいんだけど、立ててある本の方が目に入りやすいし、「見本」とちゃんと書かれてるのに、それではなく手前から本を取ろうとするのかが不思議でならなかった。

そして、今回気づいた。

あっ、奥の本は手を伸ばさないと取れないんだ!

気づいてしまえば当たり前なんだけど、手前にある本は簡単に取ることができる。
一方、奥の本は手を伸ばさないと取ることができない。
だから、みんな手前から本を取ろうとするのか、と。

f:id:yamaimo0625:20191216190958p:plain

なので、見本を立てるディスプレイは、机の奥の方じゃなくて手前に置かないとダメだと気づいた。

そして、平積みの本も出来ればあった方がいいので(これくださいと指して注文しやすい)、おそらく次のようなレイアウト(俯瞰)にするとよさそう:

f:id:yamaimo0625:20191216192342p:plain

ディスプレイ棚は机の手前に置き、その横に平置きにもしておく。
そして、ディスプレイ棚の後ろ側を作業スペースや在庫置き場に使う感じ。
これまでのレイアウトだと作業スペースがとれなくて設営や片付けが地味にやりづらかったんだけど、改善後のレイアウトならこの問題も解消できそう。

懸念点は、ディスプレイ棚を2段にしないと見本を置ききれないかなということ。
一応、このダンボール製のディスプレイ棚は2段に重ねることもできるんだけど、ちょっと不安。
それに、組み立てや分解で毎回けっこう手間がかかってるのと、折らないように気をつける必要があったりするので、別のもので代替できないかちょっと考えてる。
(まだ見つかってない)

設営/撤収チェックリスト

文フリ東京29のふりかえりを踏まえて設営/撤収チェックリストを改善してみた。
手順自体はそれほど問題なし。
ただ、チェックリストの置き場所で困るケースの方が多かった。
(片付けはそれが原因でほとんどチェックリストを見れなかった)

なので、もっと小さい紙に手順だけ書いて、ネックストラップとかで簡単に見れるようにした方がよさそう。

机の下のレイアウト

文フリ東京29で、文房具セットをキャリーバッグの中に入れていたのですぐに使えず困ったというのがあり、今回はトートバッグを用意してそこにすぐ使うもの(文房具セットや敷き布)を入れてみた。
また、キャリーバッグを横に寝かせておいたら足が窮屈でツラかったので、今回は立てて置くようにしてみた。

結果、机の下が物置としてまったく使えなかった(^^;

カバンが複数あるので置き場に困るし、キャリーバッグの上を荷物置き場として使えなかったので文房具セットの置き場所とかチェックリストの置き場所とかでかなり困ってしまった。
設営や片付けでも、荷物を右から左へと空いてるスペースに移動するという無駄がかなり発生・・・

ちょっとこれは簡単に解決する方法が思い浮かんでない。
キャリーバッグを棚として使えるようにできればいいのだけど。
(たとえば、中に区切りを用意して、立てた状態で引き出しみたいにできる、とか)


そんな感じで技書博自体はとてもいいイベントだったんだけど、自分の方ではいろいろ課題が見つかった。
次に向けて改善していきたい。

今日はここまで!

トリテはなぜいっぱいあるのか。

f:id:yamaimo0625:20191210103914j:plain

世の中にいっぱいあるトリテ。
なんでこんなにトリテがいっぱいあるんだろうとちょっと考えてみた。


これはTrick-taking games Advent Calendar 2019 - Adventarの10日目の記事です。

2015年、2016年に投稿した記事は以下から:

トランプゲームの分類

草場さんの『夢中になる! トランプの本』では、トランプゲームはおよそ次の5つに分類できると書かれている:

  1. トリック系(カードを出して数比べ、いろいろある)
  2. ラミー系(手札でセットを作る、トランプ以外だと麻雀など)
  3. カシノ系(場のカードを取得する、トランプ以外だと花札など)
  4. ストップ系(手札をなくしていく、ババ抜きなど)
  5. ギャンブル系(上記以外、ポーカーなど)

と同時に、これは主に「プレイ方法」に注目した分類方法とも言える。

ラミー系、カシノ系、ストップ系は、そのプレイ方法自体がゲームの勝利条件にほぼ直結してるけど、トリック系だと勝利条件には結びついていない。
勝利条件に注目すれば、たとえばトリックを出来るだけ多く取った方がいいもの(ホイストなど)、出来るだけ取らない方がいいもの(ブラックレディなど)、特定の数を目指すもの(オーヘルなど)と、さらに細かく分類できる。

こうやって考えると、トリテは「プレイ方法」についてしか規定していなくて、他のメカニクスと組み合わせやすいからいろいろ作れるのかなと。

トリテ+勝利条件

勝利条件は、以下のようなものを考えられる:

  • できるだけ多く取る
  • できるだけ取らない
  • 決めた数を取る
  • 一定数まで取る
  • 特定のカードを取る
  • 最後のトリックを取る
  • 最後のトリックを取らない

一定数まで取るというのは、スリートリックスなど。
これは、トリテにバーストのメカニクスを足し合わせたと考えることもできる。
アノウもスートごとにバーストがあると考えられたり。

特定のカードを取るのは、シュナプセンなどのカードポイントを集めるトリテ。

最後のトリックを取るかどうかが勝利条件のゲームもあって、スパーやキュウリなどがこれにあたる。

他にも、トリック数とは関係ない勝利条件を組み合わせることも可能。
たとえば勝利条件でエリアマジョリティを足し合わせたペンタトリックスとかもある。

勝利条件に関するメカニクスはいっぱいあるので、いろんなものと組み合わせられると思う。

トリテ+プレイ縛り

これは難しいところで、「マストフォローにあらずんばトリテにあらず」という人もいるけど、そうするとマストフォローでないゲームが宙に浮いて分類できなくなるので、一応。

  • マストフォロー
  • メイフォロー
  • マストノットフォロー
  • ランク縛り(キュウリ系)
  • マストラフ

それぞれいろいろあるので、具体的な例は省略。

プレイ縛りと言えるか難しいけど、たまたま見つけたゲームで面白いルールだなと思ったのは、ダブル・サーというゲーム。
このゲームだと、トリックを取ると中央に置かれ、誰かが連続してトリックを取ったときに初めて中央にスタックされたトリックが全部その人のものになる。
つまり、連続勝利縛り。
実際に遊んではいないので、面白いかは分からないけど(^^;

トリテ+ハンド構築

配り切りでないトリテなら、ハンド構築と組み合わせることもできる。
ジャーマンホイストやシュナプセン、トレセッテ(二人戦)とか。

あるいは、バスシュティッヒのような変態トリテも。

ちょっと変わったものとして、ドラフトレディなんてものもある。
これはブラックレディ+ドラフトで、ドラフトで手札を構築するのが面白い。
(なお、自分はめちゃくちゃ弱かった・・・)

トリテ+競り

これはもうおなじみ。
ビッドのあるトリテは星の数ほど。
トリテは手札運によるものもあるので、相性がいいんだと思う。

トリテ+ギャンブル

ギャンブルで重要になるのは、勝負に参加するか、それとも降りるか。
そういった要素が入ってるトリテは、ルーやツーペンなどがある。
カマリもこの一つ。

トリテ+協力関係

プレイヤー間に協力関係があるかどうかで考えることもできる:

  • 個人戦
  • ペア戦
  • 複数陣営
  • 全員協力

個人戦のトリテは星の数ほどあるし、ペア戦だとコントラクトブリッジなど、複数陣営だとスカートなど、全員協力だとカムレッドなどがある。

トリテ+正体隠匿

複数陣営のトリテだと、正体隠匿要素の入ったものも。
ナポレオンやブリスコラ・ブジャルダなどがそう。
トリプルクラウンというのもある。


こんな感じで、いろいろメカニクスを組み合わせやすいんだと思う。
新しいトリテを考えるときも、他のメカニクスと組み合わせるところから考えてもいいのかも。

今日はここまで!

もっと夢中になる! トランプの本

もっと夢中になる! トランプの本

jlreqでの箇条書きのインデント調整に関して。

f:id:yamaimo0625:20191027115107j:plain

 \TeXでちょっと困るのが箇条書き(itemize環境、enumerate環境)でのインデントの調整。
いろいろ設定項目があって、よく分からなくなることが多い。
ここではjlreqドキュメントクラスを使ったときのインデントの調整方法を残しておく。


これはTeX & LaTeX Advent Calendar 2019 - Adventarの7日目の記事です。
Lua(La)TeX関係ないですが・・・

6日目はuwabamiさんのTeX on Debian 10 (Buster) - 平衡点(2019-12-06)でした。
8日目はtrueroadさんのLuaTeXで原ノ味フォントを使う - Qiitaです。

jlreqドキュメントクラス

jlreqドキュメントクラスは、日本語組版処理の要件にしたがうように作られたドキュメントクラス。

日本語文書を作る場合、jsclasses(やbxjscls)を使うことが多いと思うけど、後発のjlreqは見出しやページスタイルのカスタマイズが圧倒的に楽。
もっと実績を増やして使われるようになって欲しい・・・

bxjsclsでのカスタマイズは以下も参照:

jlreqでのカスタマイズは以下も参照:

jlreqでの箇条書きのインデント調整

jlreqで箇条書きのインデントを調整する場合、プリアンブルで\jlreqsetupおよび\setlengthを使って長さを指定する。

  • \jlreqsetupで指定
    • itemization_label_length
      ラベルの長さ(≒一行目の左マージン;マージン部分にラベルが出る)
    • itemization_labelsep
      ラベルとの間隔
  • \setlengthで指定
    • \leftmargin<X>
      (二行目以降の)左マージン(<X>はレベルの深さでiii、など)

なお、ここで言うラベルとは、itemize環境での点やenumerate環境での番号など。
また、jlreqは2019-09-24版。
(ドキュメントに記載がないので変更の可能性がある)

図で表すと、次のようになる:

f:id:yamaimo0625:20191204182002p:plain

たとえば、次のようなソースがあったとする:

\documentclass[uplatex,dvipdfmx,paper=a5,open_bracket_pos=nibu_tentsuki]{jlreq}
\usepackage{bounddvi}

% ここに設定を書く

\begin{document}
\noindent\hrulefill

\begin{itemize}
    \item あああああああああああああああああああああああああああああああああ
        \begin{itemize}
            \item いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
        \end{itemize}
    \item ううううううううううううううううううううううううううううううううう
\end{itemize}

\noindent\hrulefill
\end{document}

デフォルトだとこんな出力:

f:id:yamaimo0625:20191204185724p:plain

一行目のインデントをちょうど全角一文字にしたい場合、次のようにする:

\jlreqsetup{
  itemization_label_length={1zw},
}

f:id:yamaimo0625:20191204190228p:plain

さらに、レベル2の一行目のインデントだけ全角三文字分にしたい場合は、次のようにする:

\jlreqsetup{
  itemization_label_length={1zw, ii=3zw},
}

f:id:yamaimo0625:20191204190453p:plain

ラベルとの間隔を全角一文字にしたい場合はこう:

\jlreqsetup{
  itemization_labelsep={1zw},
}

f:id:yamaimo0625:20191204190915p:plain

二行目以降の左マージンを全角三文字分にしたい場合は、こうなる:

\setlength{\leftmargini}{3zw}
\setlength{\leftmarginii}{3zw}

f:id:yamaimo0625:20191204191121p:plain

一行目と二行目以降の先頭が揃ってた方がキレイだと思うので、個人的には次のようにするといいと思う:

\jlreqsetup{
    itemization_label_length={1zw, i=2zw},% レベル1だけインデントをより深くしてみた
    itemization_labelsep={0.5zw},
}
\setlength{\leftmargini}{2.5zw}% 2+0.5
\setlength{\leftmarginii}{1.5zw}% 1+0.5

f:id:yamaimo0625:20191204191635p:plain

括弧類で始まる場合

jlreqでは括弧類が行頭にきた場合の処理をクラスオプションで指定できるようになってる。
オススメは、段落開始のときは二分空き(=半角だけ下がる)、折り返して行頭になったときは天付き(スペース入らない)になる設定。
こうすると、変なことしなくても会話文がそのまま書ける。

\documentclass[uplatex,dvipdfmx,paper=a5,
  open_bracket_pos=nibu_tentsuki,% この設定!
  ]{jlreq}
\usepackage{bounddvi}

\begin{document}
% 『響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、決意の最終楽章 前編』より
机の上で丸めた手を、久美子は強く握り締めた。

「黄前久美子」

「はい!」

こうして、久美子の一年は始まった。
北宇治高校での、最後の一年が。
\end{document}

f:id:yamaimo0625:20191204194206p:plain

ただ、これがちょっと悪さして、箇条書きの先頭に括弧類がきた場合、インデントがおかしくなる場合があった。

\documentclass[uplatex,dvipdfmx,paper=a5,open_bracket_pos=nibu_tentsuki]{jlreq}
\usepackage{bounddvi}

\jlreqsetup{
    itemization_label_length={1zw},
    itemization_labelsep={0.5zw},
}
\setlength{\leftmargini}{1.5zw}

\begin{document}

\noindent\textbf{参考文献}

\begin{itemize}
    \item 『響け!ユーフォニアム』\\
        武田綾乃 著、宝島社
    \item その他もろもろ
\end{itemize}
\end{document}

f:id:yamaimo0625:20191204194831p:plain

この場合、\itemのあとに\hspace{0zw}を入れると、普通の行頭と同じように動くみたい。

ただ、上記の場合は二分空きじゃなくて天付きの方が自然に感じたので、自分は次のように\bitemというマクロを定義して使った:

\newcommand{\bitem}{\item\hspace{-0.5zw}}

\itemの代わりに\bitemを使うと、次のようになる:

f:id:yamaimo0625:20191204195543p:plain

enumerate環境に関して

itemize環境はこれまでので大体問題ないんだけど、割と困るのがenumerate環境。
というのも、ラベル部分で必要な長さがドキュメントを通して一定とは限らないから。
特に、enumerateパッケージを使ってラベルの書式を指定する場合、かなり困る。

一応、\jlreqsetupでは環境名を指定しての長さの指定もできる:

\documentclass[uplatex,dvipdfmx,paper=a5,open_bracket_pos=nibu_tentsuki]{jlreq}
\usepackage{bounddvi}

\jlreqsetup{
    itemization_label_length={1zw,enumerate={5zw}},% enumerateでは全角5文字分
    itemization_labelsep={0.5zw},
}
\setlength{\leftmargini}{1.5zw}
\setlength{\leftmarginii}{5.5zw}

\begin{document}
\noindent\hrulefill

\begin{itemize}
    \item あああああああああああああああああああああああああああああああああ
        \begin{enumerate}
            \item いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
            \item ううううううううううううううううううううううううううううう
        \end{enumerate}
\end{itemize}

\noindent\hrulefill
\end{document}

f:id:yamaimo0625:20191204201212p:plain

なので、書式を特に変えないのであれば、この方法もあり。
(ただし、\leftmargin<X>は適当に変える必要がある)

ただ、次のようにenumerateパッケージを使うと途端におかしなことになる:

\documentclass[uplatex,dvipdfmx,paper=a5,open_bracket_pos=nibu_tentsuki]{jlreq}
\usepackage{bounddvi}

\usepackage{enumerate}

\jlreqsetup{
    itemization_label_length={1zw,enumerate={3zw}},
    itemization_labelsep={0.5zw},
}
\setlength{\leftmargini}{3.5zw}

\begin{document}
\noindent\hrulefill

\begin{enumerate}[(a)]
    \item あああああああああああああああああああああああああああああああああ
    \item いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
    \item ううううううううううううううううううううううううううううううううう
\end{enumerate}

\begin{enumerate}[\hbox{Step-}1.]
    \item あああああああああああああああああああああああああああああああああ
    \item いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
    \item ううううううううううううううううううううううううううううううううう
\end{enumerate}

\noindent\hrulefill
\end{document}

f:id:yamaimo0625:20191204205009p:plain

一行目の設定はjlreqによるものが反映されてるが(ただしそれもラベルの長さがそれぞれ違うので変に見える)、二行目の設定はまったくおかしくなってる。

これはなぜかというと、実はenumerateパッケージ内で\leftmargin<X>の値が書き換えられてしまってるから。

% enumerate.styより
\def\@@enum@[#1]{%
  \@enLab{}\let\@enThe\@enQmark
  \@enloop#1\@enum@
  \ifx\@enThe\@enQmark\@warning{The counter will not be printed.%
   ^^J\space\@spaces\@spaces\@spaces The label is: \the\@enLab}\fi
  \expandafter\edef\csname label\@enumctr\endcsname{\the\@enLab}%
  \expandafter\let\csname the\@enumctr\endcsname\@enThe
  \csname c@\@enumctr\endcsname7
% 以下で\leftmargin<X>が変えられる
  \expandafter\settowidth
            \csname leftmargin\romannumeral\@enumdepth\endcsname
            {\the\@enLab\hspace{\labelsep}}%
  \@enum@}

ラベルの長さをそのまま\leftmargin<X>の値にされてしまってる。

これを直すには、コピペしてきて長さを設定している部分をコメントアウトする。

% enumerateパッケージの修正
\makeatletter
\def\@@enum@[#1]{%
  \@enLab{}\let\@enThe\@enQmark
  \@enloop#1\@enum@
  \ifx\@enThe\@enQmark\@warning{The counter will not be printed.%
   ^^J\space\@spaces\@spaces\@spaces The label is: \the\@enLab}\fi
  \expandafter\edef\csname label\@enumctr\endcsname{\the\@enLab}%
  \expandafter\let\csname the\@enumctr\endcsname\@enThe
  \csname c@\@enumctr\endcsname7
% \leftmargin<X>の設定を無効にする
%  \expandafter\settowidth
%            \csname leftmargin\romannumeral\@enumdepth\endcsname
%            {\the\@enLab\hspace{\labelsep}}%
  \@enum@}
\makeatother

f:id:yamaimo0625:20191204205812p:plain

また、それぞれでインデントの深さを変えたい場合には、\jlreqsetupを使わずに長さを指定するしかない:

\documentclass[uplatex,dvipdfmx,paper=a5,open_bracket_pos=nibu_tentsuki]{jlreq}
\usepackage{bounddvi}

\usepackage{enumerate}

% enumerateパッケージの修正
\makeatletter
\def\@@enum@[#1]{%
  \@enLab{}\let\@enThe\@enQmark
  \@enloop#1\@enum@
  \ifx\@enThe\@enQmark\@warning{The counter will not be printed.%
   ^^J\space\@spaces\@spaces\@spaces The label is: \the\@enLab}\fi
  \expandafter\edef\csname label\@enumctr\endcsname{\the\@enLab}%
  \expandafter\let\csname the\@enumctr\endcsname\@enThe
  \csname c@\@enumctr\endcsname7
% leftmargin設定を無効にする
%  \expandafter\settowidth
%            \csname leftmargin\romannumeral\@enumdepth\endcsname
%            {\the\@enLab\hspace{\labelsep}}%
  \@enum@}
\makeatother

\begin{document}
\noindent\hrulefill

{
% \leftmarginiを('(a)'の幅)+(ラベルとの間隔)に設定
\settowidth{\leftmargini}{(a)}
\addtolength{\leftmargini}{0.5zw}
\begin{enumerate}[(a)]
    \setlength{\itemindent}{0zw}% 一行目の追加のインデント
    \setlength{\labelsep}{0.5zw}% ラベルとの間隔(\leftmargini+\itemindentから左側に空白)
    \item あああああああああああああああああああああああああああああああああ
    \item いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
    \item ううううううううううううううううううううううううううううううううう
\end{enumerate}
}

{
% \leftmarginiを('Step-1.'の幅)+(ラベルとの間隔)に設定
\settowidth{\leftmargini}{Step-1.}
\addtolength{\leftmargini}{0.5zw}
\begin{enumerate}[\hbox{Step-}1.]
    \setlength{\itemindent}{0zw}% 一行目の追加のインデント
    \setlength{\labelsep}{0.5zw}% ラベルとの間隔(\leftmargini+\itemindentから左側に空白)
    \item あああああああああああああああああああああああああああああああああ
    \item いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
    \item ううううううううううううううううううううううううううううううううう
\end{enumerate}

\noindent\hrulefill
\end{document}

f:id:yamaimo0625:20191204210727p:plain

ここまで頑張ると、いい感じになる。
このあたりは改善されるといいんだけど・・・

今日はここまで!

文フリ東京29にサークル参加してきた。

f:id:yamaimo0625:20190621155528j:plain

11/24(日)に開かれた文フリ東京29にサークル「いもあらい。」で参加してきたので、そのふりかえり。

技術書典7への参加でのふりかえりをいろいろ活かしてみた。

同人誌制作

まず、同人誌制作に関して。

jlreqの利用

今回も \TeXを使って作ったんだけど、jsclassesではなくjlreqを使ってみた。

これは縦組に対応したまともなドキュメントクラスがこれくらいだったからなのが大きかったのだけど、結果的にはとてもよかった。
見出しなどのカスタマイズが普通に比べてだいぶ楽にできた。

jlreqを使ったカスタマイズの概要は以下も参照:

いろいろ知見が得られたので、どこかでまとめたい。

漢字表記の対策

また、漢字を開くかどうか迷うことが多かったので、以下の同人誌を参考に、『NHK漢字表記辞典』を買ってみた。

NHK漢字表記辞典

NHK漢字表記辞典

この表記辞典にそのまま従うということはあまりなかったけど、気になったときに参考にできるものがあるのはすごくよかった。
物理本なので持ち運ぶには向いてないけど、一冊持っていて損はないと思う。

脱ダウンロードカード

あと、ダウンロードカードをやめて、本文中にダウンロードURLとzip解凍パスワードをつけるようにした。

理由は、ダウンロードカードを追加で作るのはコストもかかるし、持っていくのをうっかり忘れる危険性もあるから。
(実際、今回会場で「あれ? ダウンロードカード入れたっけ?」と焦った)
それに、ダウンロードカードを渡す手間もなくなる。

欠点としては、物理本が売り切れたときにPDFだけ売るとかはできなくなる。
ただ、ダウンロードカードでPDFだけ売るのもリスクが高いと思っていて、というのも、もし(ダウンロードカード)<(物理本)となったらどうするのかという問題があるから。
それだったら、PDFだけ欲しい場合はQRコード読んでもらってBOOTHからPDFを購入してもらう方がよさそう。

技術書典7ではダウンロードカード用のパスワードを自動生成してzipに圧縮するツールを作ったけど、今回のように本文中にパスワードを書く場合、パスワードの生成とzip圧縮は別々にできる必要がある。
そこで、ツールも少し修正した。

校正

前回、校正でかなり苦しんだので、今回は観点を固定してやるようにしてみた。
一つのことだけ気にすればいいので、この方が楽な感じがした。

印刷

今回も印刷はねこのしっぽさんにお願いした。

オンデマンド印刷

たくさん売れるような本ではないので、オフセット印刷ではなくオンデマンド印刷を使ってみた。
どんなもんかと思ってたけど、正直、素人目にはオフセット印刷と区別がつかない、いい出来だった。
これなら今後もオンデマンド印刷で全然よさそう。
(よほどの冊数を刷らないと、オンデマンド印刷の方がずっと安い)

表紙

それと、表紙にタント紙(画用紙と思えばいい)を使ってみた。
タント紙、めっちゃいい・・・
よく表紙に使われるホワイトポストに比べるとやや薄く、やや弱い感じではあるけど、やさしい手触りと、凹凸ある紙面への味のある印刷がとてもいい。
マットPP加工のように追加料金もいらないし。

白紙ページ

前回、「〜のページは白紙でいいですか?」というやりとりが発生したので、あらかじめ「〜ページは白紙です」ということをフォームで伝えておいた。
これで今回は何の問題は発生せずに一発入稿!
今後も忘れずに伝えるようにしよう。

イベント参加

一人での参加

今回は一人で参加してみた。

一人だとやっぱりいろいろ大変。
トイレ休憩とか。
まぁ、「休憩中」って札を立てて行くだけなんだけど。

技術書典7では「おっさんレンタル」でレンタルしたおっさんに売り子を頼んだというのを見かけたので、これも一つの手かなと思ってる。
(同人誌制作や頒布に興味ある友達がいれば手伝ってもらってもいいんだけど、そうでないとなかなか頼みづらい・・・)

設営/撤収チェックリスト

技術書典7では設営/撤収のタイミングで頭が真っ白になったので、あらかじめチェックリストを作って参加してみた。

作ったチェックリストはこんな感じ:

f:id:yamaimo0625:20191128145944p:plain

これのおかげでフリーズすることなかったので、よかった。
クリップボードがあればもっとよかった)

そして、実際に使ってみるとやはり改善点が見つかった。
そこで改善点を反映してみたのがこれ:

f:id:yamaimo0625:20191128150029p:plain

  • ダンボールを開くときに梱包材とかが出てくるけど、片付ける場所を用意しておかないと邪魔になる。
    なので、あらかじめゴミ袋を用意するようにした。
  • ポスタースタンドを早めに立ててしまうと、かなり邪魔になる。
    なので、最後の方に立てるようにした。
  • 見本誌を用意するときもスペースが欲しいので、ディスプレイ棚の組み立ては見本誌作りの後にした。
  • ポスタースタンドは邪魔になるので早めに片付けるようにした。
  • 宅急便の締め切りの時間があるので、宅急便は早めに送るようにした。

これで問題ないかは、次のイベントで試してみて確認する予定。

マーケティング

今回は、これまで出していた『哲学散歩道』シリーズと『ゆうら』を一冊にまとめて、ちゃんとした印刷所さんで印刷したものが欲しいという動機で本を作ったので、マーケティングは度外視の部分はある。
まぁ、想像以上に売れなくてちょっとヘコんだけど。
とはいえ、最高の本が出来たことについてはすごく満足してる。
これぞまさに「自分のために書いた本」という感じ。

とはいえ、いろいろ思ったこともあるので、それについて。

市場破壊

今回強く思ったのはこれ。
文フリ、市場ぶっ壊れすぎ。

左隣のサークルは、中綴じの薄い本とはいえ1冊100円で売っていて、終わった頃に「うん、会場代くらいはペイできたね」とか言ってるし(印刷代は?)、右隣のサークルに至っては「感想くれればタダでいいです」と冊子を無料配布・・・ペーパーならまだしも、おもちゃみたいな小さくオシャレな本を無料配布って、それでいいのか?
近所のサークルではけっこうな分厚さの本を1,000円で売ってたり、え、それ原価回収できてるの?という感じ。

そんな中にあって、自分の2,000円の本がどれだけ手に取られないことか。
今回、B4のポスターをちゃんと作って、それはけっこう目を引いてたのが見てとれたんだけど、視線が少し下がって値段見たあとにぷぃっと離れていくことが何度もあった。
見本を読んでから値札を見て離脱するケースも。
じっくりと読んでから「よく出来てますね」と言ってくれたけど、購入には至らないケースも。
いや、その感想自体はめっちゃ嬉しいんだけどね(^^;

購入側からしたら、値段が安い方が嬉しいというのは分かるんだけど、購入側が得してる分、販売側がかなり費用を負担してる感じがした。
まぁ、趣味でやってるから収支がマイナスでも全然いいのは分かるんだけど、サークル参加側が苦しくなるような場は継続性が難しいと思うんだけど・・・それに、妥当な価格の本も足切りされてしまう場になってしまう。
デフレ経済、よくない。

とりあえず、自分は文フリには今後サークル参加しないと思う。

薄い本は正義

それはそうと、やはり薄い本は正義だよなと思った。
値段も安くできるし。

今回は自分の作りたい本を作るのを優先したけど、一から考えて書くなら、値段の上限を決めて、そこからページ数を逆算して、その中に収まるように書くのがよさそう。

そして、値段の上限については、「信用」と同じで有名かどうかで判断する感じなんだろうなと思った。
極端な話、同じ内容の本でも、有名な人と無名な人とではつけられる値段が違う・・・

有名な人は少なく、無名な人は多い。
だから、有名な人から欲しい本を探すのは楽だけど、無名な人から欲しい本を探すのは大変。
そこで、有名な人の本は楽に見つかるから高くても問題ないけど、無名な人の本は見つけるのが大変な上に高かったら買ってもらえない。

おそらく、次の公式が成り立つ:

(有名人の人数)×(有名人の本の値段上限)=(無名人の人数)×(無名人の本の値段上限)

たぶん、本の内容がいいかどうかより、こちらの方がインパクトがデカい。
どんなにいい本を書いても、書いた人が有名じゃないと売れない。
だって、どこの誰とも知らない人が書いた本なんて、信用がまるでないわけで、しかもそういう本は無名な人の分だけあるわけだから、一つずつ評価もできないし。

なので、本の出来をよくしていく努力はもちろん必要なんだけど、現状での周りに対する信用から本の分量の上限を決めて、その中で価値を提供して信用を高めていく感じなんだろうなぁ。


宣伝!
『哲学散歩道』と『Math Poker Girl』はBOOTHでも頒布してるのでよろしくお願いします!

今日はここまで!