いものやま。

雑多な知識の寄せ集め

道を渡るとき、なぜ「右、左、右」の順に確認すべきなのか?

子供の頃、交通安全教室とかで、道を渡るときには「右、左、右」の順に確認しましょう、ということを教わるはず。
でも、なんで「右、左、右」の順なのか、ということは、あまり教わらない(あるいは、教わったていたとしても、理解できなかったり、覚えていなかったりする)し、いろいろと疑問が湧くはず。

  • 「左、右、左」じゃダメなの?
  • 「右、左」だけで十分じゃないの?
  • 「右、左、右、左」と、左も2回確認しなくていいの?

この疑問に答えるとともに、なんで自転車で逆走(右側通行)しちゃいけないのか、ということについても考えていきたい。

なぜ左が先じゃダメなの?

まず、この疑問から。

なんで右を先に確認するの?
左を先に確認するんじゃダメなの?

車は右からも左からも来るわけだから、結局両方確認しなくちゃいけない。
それなら、右を先に確認するんじゃなくて、左を先に確認するんだっていいはず。
そう考えるのは、自然に思える。

けど、結論から言うと、これはダメ。
なぜなら、

車は右から来るから。

えっ、左からも来るでしょ?と思うかもしれないけど、それは道を渡ってる途中での話。
これから道を渡ろうとしているときには、車は絶対に右からしか来ない!

これは、実際に図で見れば一目瞭然。

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日本では車は左側通行となっているので、道を渡ろうとしているときには、絶対に車は右から来る。
なので、何よりも先に右側を確認して、自分の安全を確かなものにしないといけない。
左を確認するのは、右を確認して自分の安全が確保されたあとでも十分。

「右、左」だけじゃダメなの?

じゃあ、右を先に確認しなきゃいけないことは分かった。
でも、それなら

「右、左」と確認するだけで十分なんじゃないの?
わざわざ右を2回確認するのはなぜ?

確かに、右を見て自分の安全を確保し、左も確認すれば、もう確認は十分に思える。
そのうえで、なぜさらに右を確認しないといけないのか?

一つ、よく言われるのは、「左を確認している間に、右から車が来てるかもしれないから」という話。
これはある意味合っているけど、説明としてちょっと足りていない。
というのも、次のような疑問(反論?)が当然のように湧いてくるから。
「それなら、今度は右を再度確認している間に、左から車が来てるかもしれないよね。そしたらまた左を確認しないといけない。そしたらまた右から車が来てるかもしれない。そしたら・・・と、無限に確認し続けないといけなくならない?」

その疑問はもっともで、先ほどのように説明していたのだと、この疑問に答えることは出来ない。

では、最初の疑問に戻って、なんで右を2回確認する必要があるのか。
それは、

1回目の確認と2回目の確認で、確認の意味が違うから。

どういうことかというと、

  • 1回目の確認は、渡る前に右から車が来ていないことの確認
  • 2回目の確認は、渡り始めてから渡ってる途中で右から車が来ていないことの確認

だから。

つまり、2回目の確認は、時間的に幅を持った(英語の完了時制的な)確認となっている。
もっとわかりやすく言うと、2回目の確認は一度確認したら終わりというものではなく、渡り始めてからずっと確認し続けるものだということ。
渡ってる途中にも車は突然やってくるかもしれないから、ずっと確認し続けなければならないというわけ。

ただ、そうなると当然次の疑問も湧くはず。

それなら、渡ってる途中だと車が左から来る可能性もあるから、左の確認もしなくちゃいけないのでは?

この疑問には、次の疑問と一緒に答えていく。

左も2回確認しないといけないんじゃないの?

これはある意味正解。
結論から言えば、

道を渡るとき全体を見た場合、「右、左、右、左」と確認しないといけない。

この理由は、前述の通り、道を渡っている途中にも車が突然やってくる可能性はあるから。

なので、道を渡るときのシーケンスをちゃんと全部書くと、

  1. 右を確認し、車が来ていないことを確認。
    まずはこれで自分の安全を確保する。
  2. 左を確認し、左からも車が来ていないことを確認。
  3. 右を確認し、車が来ていないことを確認しながら道を渡り始める。
  4. 道の真ん中付近に行くまでは、右を確認し続ける。
  5. 道の真ん中付近に来たら、今度は左を確認し、車が来ていないことを確認しながら道の真ん中を越える。
  6. 道を渡り終えるまで、左を確認し続ける。

という感じになる。

ポイントは、中央付近になったら、今度は左を確認するということ。

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見ての通り、道の真ん中付近に来ると、今度は車が左から来ることになる。
なので、途中からは左を確認しながら渡らないといけない。

なら、なぜ「右、左、右、左」ではなく、「右、左、右」と確認しなければならない、と教えられるのか?
これは、渡る前の動作として教えられるから。

見ての通り、渡るとき全体を通せば「右、左、右、左」と確認しているのだけど、渡る前だけ抜き出すと、確認しているのは「右、左、右」だけになっている。
本当ならちゃんと教えた方がいいのだろうけど、そうなると、道の途中からは左を確認しなくちゃいけないというを伝える必要が出てきて、これを一言で言い表すのはちょっと難しくなってくる。
そこで、最低限の確認として、一連の動作として完結する、道を渡り始める前の「右、左、右」の確認が教えられるのだと思う。

ただ、ある程度の年齢になったのなら、ちゃんと道を渡るとき全体のシーケンスが教えられてもいいんじゃないかなと思う。
でないと、「右、左、右」を確認した後、「真正面を向いて」「左右の確認をすることなく」のほほんと道を渡るという、危ない道の渡り方をする人が出てくるので。
(実際、道を渡ってる途中で左右を確認していない大人は、たまに見かける)

自転車の逆走(右側通行)の話

話はちょっと変わって、自転車の逆走(右側通行)の話。

自転車は軽車両なので、道の左側を走らないといけないのだけど、たまに(というか、よく?)右側を逆走している人を見かける。
この危険さについてはいろんなところで言及されているけど、この「右、左、右」の順に確認するという話からも、自転車の逆走の危険さについては考えることが出来る。

人が道を渡るとき、まずは右を確認すべきという話を最初に書いたけど、これは車のドライバーも同じ

車は右からやってくるので、交差点に差し掛かった車のドライバーは、まず右を確認する。

もしここで、ちゃんと自転車が左側通行をしていれば、右を確認したドライバーに「自転車が来ている」ということを認識してもらえるけど、自転車が逆走(右側通行)していた場合、左を確認するのはワンテンポ遅れるため、認識してもらうのが遅れたり、場合によっては気づかれないという可能性すら出てくる。
これは非常に危ない。

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車のドライバーからしても、本来なら自転車は右から来るはずなのに、それが急に左から飛び出してきたら、たまったもんじゃない。
そんな予想外の動きに反応するのは、無理すぎる。

さらに悪いことに、車は左側通行なので、自転車が正しい方向で走ってきた場合と逆走してきた場合を比べると、車と自転車の距離は、逆走してきた場合の方が圧倒的に短い。

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なので、最悪、車に気づかれなかった場合でも、正しい方向で走ってきた自転車には車にぶつかるまでに余裕があるけど、逆走してきた自転車にはそんな余裕がないことになる。
これも非常に危ない。

もっと言うと、車は左側通行なので、右側の方が死角が少なく、逆に左側は死角が多くなりやすい。

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交差点に塀などがある場合、この差は歴然で、前述の距離の短さとも関連して、非常に事故が起きやすくなる。
本当に危険。

ということで、

自転車での逆走(右側通行)、ダメ、絶対!

法律だからとかでなく、自分自身の身を守るために、ちゃんと正しい方向で走らないとね。

今日はここまで!