自分は哲学が好きで、『哲学散歩道』っていう同人誌を書いたりしてる。
今日は、その『哲学散歩道』をどうやって製本したのかを、ちょっと紹介してみたい。
完成した本の姿
手順などを紹介していく前に、まずは完成した本の姿を紹介しておきたい。
思ったよりも立派でしょ?
コピーしてホッチキスでガシャコンと留めただけのコピー誌というわけではなくて、(普通の方法とはちょっと違うけど)ちゃんと背を糊付けして作った無線綴じになっている。
ちなみに、サイズはA5。
手にとって開いてみると、こんな感じ。
ノンブル(ページ番号)の入れ方がちょっと適当だけど、普通の本と同じような感じに仕上がってるのが分かるかと思う。
材料について
さて、この製本をどうやっていったのかが本題なんだけど、その前に材料の説明から。
まず、表紙に使ったのは、黄ボール紙(シングル、四切)とプリンタ用和紙。
ペーパーミツヤマ 黄ボール紙 L44k 4切 100枚 ボール紙 台紙 厚紙 工作用紙 4切 392mm×544mm
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(※Amazonへのリンクを貼ったけど、これらは実際には世界堂で購入)
黄ボール紙は固くて厚い紙なので、それをベースにプリンタ用和紙を貼って表紙を作ることで、ハードカバーの本みたいにすることが出来る。
そして、本文に使ったのは、淡クリームキンマリの書籍用紙。
ペーパーミツヤマ 書籍用紙 淡クリームキンマリ 4/6 72.5kg 84.3g/? A4 1000枚
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もちろん、普通のコピー用紙を使うのでもいいんだけど、文章を読ませる本の場合、普通のコピー用誌だと白すぎて目が疲れやすくなってしまう。
それを防ぐのが書籍用紙で、淡い色がついているおかげで、目が疲れにくいようになっている。
実際、文庫本とかを手にとってもらうと分かると思うけど、真っ白な紙を使っていなくて、淡く黄色がかった紙になっているはず。
これは紙の酸化が進んでしまっているわけではなくて、元々そういう色の紙を使ってるからだったりする。
あと、本体と表紙を繋ぐ見返し紙には、普通のコピー用紙を使っている。
製本の大まかな流れ
最初に、自分のやった製本の大まかな流れを説明しておくと、以下のような感じ。
- 本文の印刷
- 本文の裁断
- 切れ込み入れ
- 背固め&見返し付け
- 黄ボール紙の裁断
- 表紙作り
- 全体の組立て
これを順番に説明していこうと思う。
本文の印刷
まずは本文の印刷から。
本文自体はを使って作成し、PDFにした。
このとき、
- 奇数ページ(本の左側)は左寄り
- 偶数ページ(本の右側)は右寄り
になるように、余白をちょっと調整した。
具体的には、以下のような感じ。
\documentclass[10pt,a5paper,twoside,titlepage]{treport} % 省略 % レイアウト調整 \setlength{\voffset}{-0.5in} \setlength{\hoffset}{-0.2in} \setlength{\textheight}{32zw} % 行数/頁 \setlength{\textwidth}{48zw} % 文字数/行 \setlength{\oddsidemargin}{-35pt} % 奇数ページは左寄 \setlength{\evensidemargin}{35pt} % 偶数ページは右寄
かなりベタなんだけど、そこまでに詳しくないので、とりあえずこれで・・・
普通にワープロソフト(Wordなど)やドロー系ソフト(Illustratorなど)、DTPソフト(InDesignなど)を使って紙面を作成するなら、それぞれの環境で適切に余白を入れるといいと思う。
PDFが作成できたら、次にやっておきたいのが、ページの入れ替え。
どういうことかというと、1→2→3→4→5→6→7→8→9→・・・というページの順番を、2→3→4→1→6→7→8→5→10→・・・という風に、入れ替えていく。(下図参照)
これは何をやっているのかというと、両面印刷したときに、ページの順番が正しくなるようにするための工夫。
こうしておくと、印刷するときに設定を
- A4の紙を横向きに使う
- 1枚当たりのページ数を2ページにする
- ページのレイアウト方向をS字型にする(右→左の順にページが配置される)
- 両面印刷(短辺閉じ)をする(もしくは、最初に奇数ページだけ印刷し、紙を裏返して、次に偶数ページだけ印刷する)
とすることで、次のように印刷することが出来る。
ちょっと分かりにくいかもしれないけど、1ページ目の裏に2ページ目が、2ページ目の左隣に3ページ目が、3ページ目の裏に4ページ目が印刷されるようになっている。
シンプルな製本でよければ、あとは折ってホッチキスで留めて、製本テープを貼るだけでもOK。
なお、プリンターに依るんだけど、印刷するときに100%で印刷するんじゃなくて、用紙サイズに合わせて拡大(あるいは縮小)する必要があるみたい。
PDFのページサイズを確認すると、100%で大丈夫なはずなんだけど・・・?
今日はここまで!
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11/23(月・祝)に、東京流通センターで行われる文学フリマ東京に出展します。
ブースは【カ-55】(カテゴリ:評論|現代思想・哲学)で、サークル名は「いもあらい。」です。
『哲学散歩道』と、出来れば新刊を持っていく予定です。
『哲学散歩道』の一部は、エブリスタで立ち読み出来るようになってます。
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