いものやま。

雑多な知識の寄せ集め

読書会をやってみた話。(その1)

一昨年や去年のふりかえりで少し触れたけど、会社で読書会をやってみたので、その話を少ししてみたい。

動機

connpassなどでいろんな勉強会に参加してるので、いつかは自分でも勉強会を主催してみたいなぁと。 ただ、誰でも参加できる勉強会をいきなりやるのは大変なので、まずは会社で勉強会をやってみようと思ったのがキッカケ。

そのうえで、どんな勉強会にしようと考えたときに、読書会なら参加のハードルが低いだろうし、チームのレベルアップを図れるからいいかなと。 自分も積読が消化できるし。

そんなわけで、まずはチーム内で参加者を募って読書会をやってみた。

ProGit読書会

最初の読書会で選んだ本は『ProGit』の日本語版。

選んだ理由は以下:

  • Gitに慣れてないメンバーが何人かいた
  • Gitの公式サイトで紹介されている本
  • 無料で読めて日本語訳もある(=参加のハードルがとても低い)
  • 自分としても読んでみたいと思ってた
  • Git自体はある程度知っているので、読書会の運営に集中できる

初めて読書会を企画するのでどうやって進めていこうか迷ったんだけど、Slackで参加希望者を募ったあとに1回準備会を開いて、そこで進め方の叩き台を示して意見をもらい、以下のような進め方でやっていった:

  • 読書会の時間を毎週30分とる
  • 読書会用のGoogleドキュメントを用意
  • 各自が指定範囲をあらかじめ読んでおき、Googleドキュメントにメモを書いておく
    • 各節ごとに「分かったこと」「質問したいこと」「その他」というカテゴリを用意しておき、メモを箇条書きしていく
    • みんなで書き込む(無記名)
    • 「その他」には説明の補足やつまずきポイント、過去の開発で体験したことなどを書く
  • 読書会の時間では書かれたメモを読み合わせて質問への回答をしたり議論をしたりする
  • 読書会の司会(メモの読み上げ&追記、ファシリテーションなど)は自分がずっと担当

ちなみに、あらかじめ読んでおくようにしたのは一緒に読んでいくのだとめっちゃ時間がかかると思ったから。 それとまとめを持ち回りでやることも考えられたけど、まとめる人が大変かなと思ったのでみんなでまとめを作るようにした。 司会も持ち回りの方がいいんだろうけど、初めての読書会ということで、とりあえず自分がずっと担当。

あと、実際に手を動かしてみないと分からないよねという声も途中で出たので、演習を用意してやったりもしてみた。

で、実績としては2022年の9月に第1回をやって、そこからふりかえりを含めて20回やり、2023年の2月に無事終了。 途中に祝日や年末年始などでお休みも挟んだので、6ヶ月弱かかった感じ。 思ったよりもかかったけど、500ページ弱の本を最後まで読み切れたというのはなかなかのものだと思う。

最後のふりかえりでは以下のような感想が得られた:

  • 最後まで読めたのがよかった
  • Gitの使い方を学べたりおさらいできたのでよかった
  • これまで知らなかった便利な機能や下回りがどうなってるかも学べた
  • Gitを理解するには意外とコンピュータサイエンスの知識が必要だと分かった
    • ポインタとかハッシュテーブルといったデータ構造の知識がないと、下回りの説明を理解するのが大変
    • 基本的なターミナル操作とか、manでマニュアルを読んだり、ページャ(less)を使いこなしたりとか
  • 普段みんながどんなふうにGitを使ってるのかなどの話し合いができたのでよかった
    • (リモートだととくに)使い方あってるのかとかを知るのが難しい
    • 操作の様子を画面共有で見せたりもしたので、そこから学ぶこともできた
      • ペアプロとかモブプロもやれるといいのかも
  • ちょっと時間がかかった
    • もう少しスキップする章があってもよかった
    • 基本的な使い方を学ぶ前半と、発展的な話題を学ぶ後半とで、参加者を分けてもよかったかも
  • 質問が出にくかった
    • 最後にコメントを振ると質問がくることもあったので、細かく尋ねた方がよさそう
    • 画面共有してると他の人の様子が見えないのでファシリテーションしづらかった
      • 画面共有を他の人にお願いした方がよかったかも
    • 質問は意図を確認するために記名で書いてもらった方がよかったかも
  • 途中でもふりかえりをして進め方をカイゼンした方がよかった
  • 学んだことを業務でどう活かせるかといった議論もあった方がよかった

本を最後まで読み切るのって思った以上に大変なので、それができたというのはとてもよかったと思う。 一人で読んでると途中で止めちゃうことも多いもんね。

そして読書会に関する知見もいろいろ得られたのでよかったと思う。 このあとも別の読書会が企画されてるんだけど、このふりかえりが活かされてたりする。

ちなみに、Gitを学ぶうえで『ProGit』はいい本だったかというと、なかなか難しいところ。 基本を学ぶならもっとよさそうな本がありそう。 具体的に挙げるのは難しいけど・・・ ただ、無料で読めるというのはいいことだし、下回りをちゃんと説明してるというのはとてもよかったと思う。


長くなったので一旦区切り。

今日はここまで!