いものやま。

雑多な知識の寄せ集め

統計検定2級を受けてみた。

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現在、就活中なんだけど、しばらく活動してみて全然ダメだったので、実績に少し箔をつけるために統計検定2級を受けてみた。
無事合格したので、どんな勉強をしたかなどを紹介したい。

統計検定2級とは

統計検定は、統計学に関する知識や活用力を評価する検定試験。
2級だと大学基礎課程(1・2年次学部共通)で習得すべきことが出題される。

・・・とされてるけど、数理科学科出身の自分でもこんな内容はやってない(^^;
正直、統計学は数学の中でも考え方がかなり特殊なので、数学科出身でもそれなりに勉強はしないと受からないと思う。
数学部分は問題なくても、統計的な考え方と知識がないと解けない。

試験方式は、紙の冊子が配られて回答するPBT方式と、パソコンに問題が表示されて回答するCBT方式がある。
PBT方式は基本的には年2回(6月と11月)。
一方、CBT方式はいろんな会場でほぼ毎日開かれてる。
なので、急ぎで試験を受けたかったらCBT方式がいい。
自分もCBT方式でサクッと試験を受けてきた。

試験時間は90分で、四択or五択の問題が約35問出題され、100点満点で60点以上取れれば合格(※CBT方式の場合)。

ノー勉だとさすがに無理だと思うけど、それなりに勉強して過去問を解けば普通に受かるとは思う・・・のだけど、PBT方式の合格率は40%強なので、微妙なところ。
勉強した人がどれだけ合格したかという条件付き確率が欲しい・・・
(基本情報や応用情報も合格率20%強とかみたいだし、その合格率マジで?となる)

勉強スケジュール

自分の場合、大学時代に統計の勉強はまったくやらなかった。
なので、数学はともかく、統計に関しては知識ゼロからのスタート。

思い立って勉強を始めたのが3/9(月)で、1週間ちょっとで本を読んだりWebを見たりで基本的な知識をつけた。
そのあと、3/17(火)から過去問を解き始め、分からなかったところなどを補強。
そして、3/28(土)、つまり今日、CBT方式で受検して、無事合格。

2週間くらいで取れるかなぁと思ったんだけど、試験申し込みを約1週間前にやらないといけなかったらしく、1週間ほど延びてしまった(^^;
まぁ、その分過去問を解く回数も増えたので、万全を期せた感じ。

読んだ本など

いろいろ読んだので、順番に。

『完全独習 統計学入門』

完全独習 統計学入門

完全独習 統計学入門

  • 作者:小島 寛之
  • 発売日: 2006/09/28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

統計WEBでいろいろな本が紹介されてた中で、小島先生は他の本(『数学的思考の技術』)で知っていたので、この本をまず手にとってみた。

この本のいいところは、統計学の考え方が分かりやすく書かれていたこと。
最初に手にとった一冊としては、大正解だったと思う。
これは、著者の小島先生自身が統計学を「胡散臭い学問」とちゃんと認識してたからで(数学やってる人からすると統計学ってかなり異質に見える)、その上で「あぁ、統計学ではそう考えるのね!」というポイントをしっかりと掴んでるから。

推測統計の方法論は「部分から全体を推論する」という「帰納法」です。 これは数学という完全無欠の「演繹法」になじんだ筆者には、「飛躍だらけの論理体系」に見え、これを受け入れるためには、慣れ親しんだ思考法からいったん頭を切り替えなければならない、と悟ったのです。
(『完全独習 統計学入門』「おわりに」より引用)

逆にいうと、統計学ではこうするんだよーと言われて何の疑問も持たずに受け入れられてしまう幸せな頭の人は、別の本でもいいかも。

なお、統計学の基本的な考え方を伝えることに注力してるので、統計検定2級に必要な知識を得るにはかなり足りない。
なので、他の本やWebでの補足は必須。

『完全独習 ベイズ統計学入門』

完全独習 ベイズ統計学入門

完全独習 ベイズ統計学入門

  • 作者:小島 寛之
  • 発売日: 2015/11/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

上記の本のベイズ統計版。

この本も非常によかった。
面積図を使った説明は、ベイズ統計の考え方をすごく分かりやすく伝えてくれる。

統計検定2級でも事後確率を求める問題は頻出だけど、これ一冊読めばかなり理解が深まり、なんかゴチャゴチャした公式を覚えなくてもベイズ統計の問題が解けるようになると思う。

『マンガでわかる統計学入門』

マンガでわかる統計学入門

マンガでわかる統計学入門

マンガなら読みやすいかなぁと手にとった本。
電子版もあったので。

書かれてる内容は小島先生の本とほとんど同じで、もうちょっと統計学の言葉を使ったものになってる。
なので、読む必要はほとんどなかった。

『マンガでわかる統計学

マンガでわかる統計学

マンガでわかる統計学

これも有名な本。
ずっと昔に買って本棚で眠ってた・・・

マンガだけど、内容はなかなか難しい。
そして、推定や仮説検定の説明だと母平均が使われることが多いと思うのだけど、この本では独立性の検定が使われてる。
また、相関係数の他に相関比や連関係数の話が書かれてて、データの関連性に重点が置かれている感じがした。

正直、この本を入門書として読んでもさっぱりだと思う。
やはり入門は小島先生の本がいい。
その上で、データの関連性について知りたいときにはこの本を読むといいと思う。
(独立性の検定も統計検定2級でよく出る)

『マンガでわかる統計学 回帰分析編』

上記の回帰分析版。

単回帰分析、重回帰分析も統計検定2級の試験範囲でよく出るんだけど、結論から言えばこの本は参考にならなかった。
(この本自体が勉強にならないというわけではない)

試験でよく出るのはt分布を使った検定。
一方、この本ではF分布を使った検定・・・

統計学がわかる』

統計学がわかる (ファーストブック)

統計学がわかる (ファーストブック)

ハンバーガーショップでのいろいろな課題をテーマに話が進むので、読みやすかった。
推定や仮説検定の話がたっぷりと書かれてるので、小島先生の本を読んで、足りない部分を足すとよさそう。
母平均、母分散の検定の話に加え、母平均の差に関する検定の話が書かれてる。

統計学がわかる 回帰分析・因子分析編』

統計学がわかる 【回帰分析・因子分析編】 (ファーストブック)

統計学がわかる 【回帰分析・因子分析編】 (ファーストブック)

上記の本の回帰分析(&因子分析)版。

これも回帰分析の参考にはならなかった。。。
分かりやすいとは思うんだけど、知りたかったのは検定に関する話で、それについては言及ゼロだったので。

統計WEB

かなりお世話になった。

本だとどうしてもページ数に限りがあるので、載せられる検定の種類も限られる。
そこで足りなかった知識については、このサイトでほぼ網羅されてるので、調べればだいたい分かった。

とはいえ、いきなりこのサイトを見てもなかなか難しいところはあるかも。
分量もかなり多いし。
なので、本で基本を押さえ、過去問を解いて分からない問題が出たら調べるという感じが効率いいかもしれない。

『統計検定2級 公式問題集』

日本統計学会公式認定 統計検定 2級 公式問題集[2016〜2018年]

日本統計学会公式認定 統計検定 2級 公式問題集[2016〜2018年]

  • 発売日: 2019/03/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

過去3年分(合計6回分)の問題と解説が載ってる。
とはいえ、いきなり解説見ても分からないと思うので、やっぱり基本を理解してから。

この問題集をどれだけやり込んだかが合格に大きく繋がると思う。
自分は2016〜2018年の問題集と、2013〜2015年の問題集を全部解いた。

最初は90分をオーバーしてもいいから全部の問題に目を通し、分からないところを潰す。
そして、慣れてきたらちゃんと時間内に収まるように解くといいと思う。

統計検定2級をとってみて

とりあえずとってみたけど、まぁ勉強すれば普通にとれるだろうし、うーん、凄いんだろうか・・・
まぁ、就活にプラスに働くことを祈るのみ。

勉強したことは忘れないためにも近いうちにまとめて公開したいと思う。

今日はここまで!

完全独習 統計学入門

完全独習 統計学入門

  • 作者:小島 寛之
  • 発売日: 2006/09/28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

完全独習 ベイズ統計学入門

完全独習 ベイズ統計学入門

  • 作者:小島 寛之
  • 発売日: 2015/11/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

マンガでわかる統計学入門

マンガでわかる統計学入門

マンガでわかる統計学

マンガでわかる統計学

統計学がわかる (ファーストブック)

統計学がわかる (ファーストブック)

統計学がわかる 【回帰分析・因子分析編】 (ファーストブック)

統計学がわかる 【回帰分析・因子分析編】 (ファーストブック)

日本統計学会公式認定 統計検定 2級 公式問題集[2016〜2018年]

日本統計学会公式認定 統計検定 2級 公式問題集[2016〜2018年]

  • 発売日: 2019/03/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)