いものやま。

雑多な知識の寄せ集め

ファミリーテックIoTLTに行ってみた。

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この前の技術書典6で買った親方Projectさんの「Onestop 勉強会」を読んで、勉強会に行きたい気持ちが最近高まってる。
そんな中見つけた勉強会の1つが、IoTLTという、IoT縛りの勉強会(LT会)。

一応、自分は組込みの会社で働いていて、マーケティングではIoTだとか自動運転だとかが華々しく謳われているんだけど、実態はそこから程遠くて、もっとずっと下の地味ぃな開発が行われてたりする。
自分自身、開発してるのはターゲット側じゃなくてホスト側のツールが主なので、正直IoTとかよく分かってない・・・
そんなわけで、このまま会社の中でクローズな独自技術()だけを扱っていてもダメで、もっと外に出て、広く情報が発信されているオープンな技術を学んでいかないとなと思い、IoTLTに行ってみることにした。

ちなみに、ホントは組込み関係の勉強会があれば行ってみたかったんだけど、組込み業界ってWeb業界に比べてホントにクローズな環境になってて、検索しても勉強会が全然見つからない・・・
まぁ、それでセミナー開いてお金稼いだり、コンサル入ってお金稼いだりするのがビジネスになってるというのもあるんだろうけど。
セミナー1回で数万円とかする)

ファミリーテックIoTLT

今回行ったのは、IoTLTの分会の1つであるファミリーテックIoTLTの3回目。

家庭や育児の問題をテクノロジー(IoT)を使っていろいろ解決できないかな、というのが、この会。
実際の経験などから、こうやったら技術で解決できるんじゃないかな、というのを考え出し、実際にやってみて、その成果などを発表しあう感じだった。

ちなみに、会場を提供してくださったのは、高円寺にあるヴァル研究所。
駅すぱあと」を作ってる会社、と言った方が分かりやすいと思う。
(というか、自分も初めて知った)

あと、育児がテーマの1つになってるからなのか、小さい子を連れて参加してる方もいたのがとても印象的だった。
他の勉強会では絶対に見られないだろう光景だよなぁ・・・

興味深かったLT

LTは一人5分で、10人がLTを行なった。
どれも面白かったんだけど、その中でとくに興味深かったものを紹介。

ヴァル研究所 伊藤さん

会場提供のヴァル研究所の伊藤さんから、IKZAP(育児ゼロアクションプロジェクト)の紹介。

なんで「駅すぱあと」で有名なヴァル研究所から育児の話が出るんだろう?となるんだけど、ベビーカーを伴って電車に乗る場合、ベビーカーの乗せやすさや移動のしやすさが重要な観点に入ってきて、それでピジョン株式会社とコラボしたのがきっかけとのこと。
あるいは、親子でお出かけとかもするので、その候補を提案したりとか。

まずこの時点で、自分は独身なのでベビーカーのことなんてまったく考えたことがなかったんだけど、言われてみたらそうだよな、と驚いた。
こういうのは、実際に子育てをしてみないと見えてこない視点だと思う。

以前、ワークライフバランスの講演で聞いた話を思い出した。

具体的には資生堂の事例をお話します。
資生堂は、男の方にはもしかするとなじみがないかもしれませんが、化粧品を作っている会社です。
なので、お客様の90%以上が女性ですが、以前は経営層の100%が男性で構成されていました。
今は違います。
今は女性も数名入っています。
以前のお話ですが、例えば、口紅の色を最終決定するのが、皆様方クラスの男の方々ばかりの経営会議なんですね。
そうするとどんなことになったかと言いますと、銀座や花見小路のラウンジのママさんたちがしているような口紅の色、真っ赤とか、濃いピンクになってしまったそうです。
そういう色って、私たちは職場ではなかなかつけられませんよね。
でも、ベージュとか、少し薄いピンクというのは却下されてきたのだそうです。
なんですが、それではもう売れないということで、女性も経営に参画して、意思決定の場に入ることになり、お客さまのニーズに合った商品が開発され、組織が活性化したということです。
http://www1.odn.ne.jp/~cby36330/tuji-b-sano.htm より引用)

意思決定する人間が実際に育児に関わっていないと、そこにどんな苦労があって、そしてニーズがあるのかは見えてこない。
ワークライフバランスをとって、いろんな経験をしないと、いい製品は出てこないよね、ということ。

閑話休題

IKZAPでは、スマートスピーカーに育児で行なったことを話しかけ、その記録をクラウドに保存し、さらに夫婦でその情報をLineで共有することで、コミュニケーションを活性化するということを行なったとのこと。
授乳の記録から、そろそろ授乳の時間だよとお知らせするとかも出来るみたい。
また、情報が共有されることで、一方だけに負担が偏ってしまうとそれが目に見えて分かるので、一緒に協力して育児を行なっていくことが出来たとのこと。

最初聞いてたときは、「ログとって共有するだけなのか。それで何か意味があるのかな?」とも思ったのだけど、伊藤さんの次の言葉がかなり刺さった:

「これは、自分たちが普段やっている開発の『見える化』と同じです。具体的に情報が可視化されることで、課題が見えてきて、カイゼンに繋がっていきます」
(※記憶を頼りに書いてるので、正確な内容ではない)

なるほどとしか言いようがない。
言われてみれば、その通りだ。
見える化』の重要性は、とても分かる。
開発で使うプロセスを育児に横展開する、という発想がすごいと思った。

ちなみに、アジャイルでチームビルディングに使う手法(スキルマップ)を使って、家事の分担を行なったりもしてるらしい。
この、開発で使っているプロセスを他にも展開するというのは、まだまだすごい可能性を秘めていそう。

その他

他にも、ママ友を繋げて助け合う仕組みを作ろうとしている方がいたり、子供の誕生日プレゼントのために全力で工作をしてる方がいたり(ホントに凄かった)、キクラゲを育てるのに情熱を燃やしまくってる人たちがいたり(笑)、いろんな発表があった。

あと、「IFTTT(イフト)」とか「micro:bit」などは全然知らなかったので、それらを知れたのも大きな収穫。
プロトタイピングしたいときにサクッと出来る環境があるというのは、すごい。
もしうちの製品で同じことをやろうとしたら、どれだけ工数積めばいいのやら・・・
(もちろん、これは単純に比較できるものでもなくて、何を重要視するかの違いではあるのだけど)

ちなみに、LT登壇者の一人であるレノボ・ジャパンの村上さんが、次のようなイベントを紹介してた:

これも面白そう。
応募枠はまだまだ空いているようなので、何か面白いものを作った小・中学生は参加してほしいとのこと。


こんな感じで、思った以上に面白かったので、また機会があれば参加してみたい。
他の勉強会とかも行ってみたいなぁ。

今日はここまで!