今日は隠しノンブルの出力について。
なお、印刷用と電書用の分離については以下を参照:
隠しノンブルとは
まずノンブルというのはページ番号のこと。
ただ、ページ番号は途中までi, ii, ... として、途中でリセットして1, 2, ... としたりすることがある。
これだと全体を通してのページ番号が分からないので、印刷所は製本で困ってしまう。
そこで入れるのが隠しノンブル。
読者には見えない位置(例えば紙を糊付けする位置)に通しのページ番号を入れておく。
そうすれば印刷所も安心して作業を行える。
ちなみに、ネット上の情報だと断ち切りの外でもOKみたいに書かれていることがあるけど、実際には裁断後に残ってないとダメ。
あと、トンボと違って(隠し)ノンブルは必須と思っていいと思う。
ねこのしっぽさんも日光企画さんも「通しでノンブルを入れるように」とされている。
(隠しである必要はない)
自分の場合はページスタイルのフッタを使って隠しノンブルを出すようにした。
ページスタイルの変更
フッタを使って隠しノンブルを出すことにしたので、まずページスタイルの変更が必要。
以下のようにして仕込みを入れておいた:
これで\oddNombre
と\evenNombre
を適切に再定義すれば隠しノンブルが出力される。
通しのページ番号の取得
\oddNombre
と\evenNombre
の再定義で必要となるのが、通しでのページ番号。
普通にページ番号を出力する\thepage
だと通しでのページ番号は得られない。
そこで使ったのがpagesltsパッケージ。
このパッケージを使うと\theCurrentPage
で通しでのページ番号を取得できる。
このパッケージは使い方にちょっとクセがあって、以下のようにする:
\documentclass[...]{...} % パッケージの指定 \usepackage{pageslts} \begin{document} % ページカウントのスキーム設定 \pagenumbering{arabic} % ここに本文 \end{document}
このスキーム設定がないとエラーになる。
ここでarabic
としているので、通しのページ番号は普通の数字(アラビア数字)で出力される。
出力コマンドの定義
あとは\oddNombre
と\evenNombre
の定義。
以下のようにした:
% 隠しノンブル \newcommand{\nombre}{{\tiny \textcolor[gray]{0.3}{\theCurrentPage}}} \renewcommand{\oddNombre}{\rlap{\kern-18.4mm\nombre}} \renewcommand{\evenNombre}{\rlap{\hskip\textwidth\hbox to 18.4mm{\hfil\nombre}}}
まず\nombre
は小さく薄い文字で現在のページ番号を出力するよう定義したコマンド。
薄くするためにcolorパッケージの\textcolor
を使っている。
そして、\rlap
を使うことでうまいこと出力している。
このコマンドは「カーソルを今の位置に止めたまま引数の内容を出力する」というもの。
(ちょっとややこしい・・・)
奇数ページならカーソルをフッタの開始位置に止めたまま-18.4mmほど戻った場所に現在のページ番号を出力している。
偶数ページも同様にカーソルをフッタの開始位置に止めたままテキスト幅進めて18.4mmの箱を用意してその箱の中で右寄せになるように現在のページ番号を出力している。
このあたりはのボックスについての知識がちょっと必要・・・
(でもよくよく考えると、フッタに隠しノンブルしか出力してないから\rlap
使った意味あまりないような・・・)
まぁ、何はともあれ、これで隠しノンブルの出力が出来た。
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今日はここまで!