いものやま。

雑多な知識の寄せ集め

技術書典7 はじめてのサークル参加meetupに行ってきた。

f:id:yamaimo0625:20190621155528j:plain

はい、というわけで、技術書典7にサークル参加で申し込んだ。
当選したら、技術書生やす!

技術書典については、以下の公式ページや、自分が一般参加したときのレポートを参照:

はじめてのサークル参加meetup

今回行ってきたのは、以下のイベント:

技術書典にサークル参加しようと決めたはいいものの、分からないことがいろいろあったからね。
特に、今回はオフセット本にチャレンジしてみようと思っているのだけど、オフセット本は作ったことがないので、そのあたりの疑問を解決できればな、と。

ちなみに、このブログでも何度か紹介してるけど、同人誌自体は一応作ったことがある。
技術書でもないし、コピー本を凄くしたようなものなので、普通の人が想像する「同人誌」と呼んでいいのか迷って、「どきどき初参加」枠で申し込んだけど・・・

自分が作った同人誌に関しては、以下の記事から:

PDF版をBOOTHでも販売しているので、興味があれば、ぜひ。

イベントは、わかめさんひつじさんがスピーカーとなって、質疑応答を交えつつ、そも同人誌ってなんじゃらほい、というところから、その製作方法やスケジュール感、執筆での注意点や当日の様子などについての話があった。
以下は、その中で特に自分が参考になったことのまとめ。

スケジュール感

まずはスケジュール感から。

同人誌を作る場合、原稿を書いて、ハイおしまい、というわけにはいかない。
特に、印刷所を使ってオフセット本を作るとなると、その入稿の締め切りも考えないといけない。

大まかな流れは、以下の3つのステージになる:

  1. 執筆前:計画、企画
  2. 執筆 :執筆、編集
  3. 執筆後:印刷、広報、頒布

まず、計画、企画では、各工程の期日を決めて線を引いたり、書く本の内容を決めていく。

次に、執筆ではもくもくと原稿を書く。
執筆はだいたい1ヶ月を目安とするみたい。
また、レビューや校正も必要。
それと、本としてまとめるために、表紙を作ったりレイアウト・スタイルを整えたりといった編集も行なっていくことになる。

最後に、印刷所に入稿して、広報活動と、当日の頒布。
告知は積極的にやった方がいいとのこと。

上記を踏まえると、以下のような感じになる:

時期 やること
7月上旬 当落結果発表、参加費支払い、計画・企画
7月〜8月 この中で1ヶ月くらいとって執筆し、編集、レビュー、校正
9月上旬 入稿、広報活動
9月22日 イベント当日!

以下の手順でカレンダーを取り込むことも出来るみたい:

執筆環境

さて、いざ執筆しようと思ったら、執筆環境が必要なわけだけど、そこで挙がるのがRe:VIEWとかMarkdownとか。
(あるいは、 \TeXで頑張るとか)

普段、Markdownで文章を書くのに慣れているので、正直、書式が違うRe:VIEWを使うのは微妙かなぁ、とも思っていたんだけど、いくつか追加で考慮すべき点があった。

まず、Markdownだと脚注を書くのが難しいよ、という話。
実際のところ、はてなブログだと拡張が入ってて、脚注も書けるようになっているのだけど(Markdownで書いてみた。(まとめ) - いものやま。も参照)、その拡張が使えるとは限らない。
それに、この拡張の例からも分かるとおり、Markdownには方言もけっこう多いので、そのあたりも悩みのタネになる可能性も。
その点、Re:VIEWだと脚注も問題なく使える。
また、マークアップ言語なので拡張もしやすいとのこと。

あと、Re:VIEWは実際に同人誌製作に使われた実績も多いので、印刷まわりで安心できる、というのも大きい感じがする。
例えば、印刷所によっては全ページにノンブルを入れる必要があるけど、Re:VIEWだとその辺もうまくやってくれるとのこと。

う〜ん、悩ましい。
今回は \TeXの勉強も兼ねて \TeXでやろうと考えていたのだけど・・・
Re:VIEWを使う方が無難な気もする(^^;

執筆のアドバイス

執筆に関してもいくつかアドバイスがあった。

まず、書きたい内容に絞って書いた方がいいよ、という話。
説明を書いてると、どうしても「あれも説明しなきゃ」「これも書いておかないと理解してもらえないかも・・・」となっていきがち。
けど、それで書きたい内容が書けなかったら、本末転倒。
本題に入る前に力尽きたり、あるいは最悪、原稿を落としたりしたら、悲しすぎる・・・
なので、まずは書きたいところから書いていき、レビューをしてもらって「ここらへん、説明が足りないからよく分からない」と指摘されてから説明を継ぎ足すくらいでもいいんじゃないか、とのこと。

あと、書いてるときはバックスペース禁止というルールでやるのもいいっぽい。
バックスペースを許すと、書きつつ推敲を始めてしまって、いつまでたっても文章が完成しないことがあるから。
これ、めっちゃ分かる・・・
(書いてるときにどうしても推敲してしまうので、めちゃくちゃ遅筆・・・)

それと、校正に関しては、余裕がない状態でtypoを見つけたりなんか出来ないので、余裕を持ってやるようにねとのこと。
確かに・・・
あと、実際に紙に印刷した方が間違えを見つけやすい人も多いので、実際に印刷してみるといいかも、とのこと。
実際、自分も『哲学散歩道』の校正をやるときは紙に印刷してやったので、その通りだと思う。

他には、爆死しないためには、表紙の分かりやすさが大切、という話もあった。
たくさんの本があるので、まず表紙で目がつくかどうかが重要になる。
そして、その本が自分を対象としたものでない(not for me)と思われてしまったら、手にとってもらえさえしない。
なので、表紙で何について書かれた本なのかや、扱っている内容、あるいはレベル感が分かるようになっていた方がいいとのこと。

サイズや部数をどうするか

実際に同人誌を作るときに悩ましいのが、本のサイズをどうするか。
A5にするのか、B5にするのか・・・

ちなみに、A5でもB5でも、1ページに入る文字数はそれほど変わらないらしい。
これは、A5の場合は文字サイズも少し小さくすることが多いから。

一般に多いサイズはB5。
コードを載せる場合には、B5の方がプログラムのリストが見やすいという利点があるっぽい。

一方、A5だと、気軽な読み物という雰囲気を出しやすい感じがあるっぽい。
B5に比べて小さいので、軽いし。
あと、個人的には表紙のデザインがやりやすそうな気はしてる。
(面が大きい方がイラストや写真も大きいものが必要になるし、ダサいスキマを作らないデザインにするのはなかなか難しい)

あと、何部刷るのかというのもなかなか悩ましい問題。

データによれば、技術書典だと新刊が平均150部くらい出る感じらしい。
機会損失をしたくなければ、それより多めに刷っていた方がいいし、完売するというのはかなり楽しいので、少なめに刷るというのもありみたい。
なお、少なめに刷った場合、電書版のQRコードを名刺などに印刷して用意しておけば、機会損失もだいぶ抑えられるので、そういうのもあり。

ただし、注意点として、技術書典は部数に関して例外的で、他のイベントで同じような部数は刷らないように、とのこと。
在庫を大量に抱えて、悲しいことになるっぽい・・・

部数に関しては、個人的に気になっていたことも聞いてみた。
それは、同人誌の束はどれくらいのサイズ(分厚さ)になるのか、ということ。
運搬するときや、在庫が残ってしまったときには、そのサイズが重要になってくるので。

これは、同人誌100冊で、500枚入りコピー用紙の束が5つ入ったダンボールくらい、という回答をもらって、すごくイメージしやすかった。

実際、50ページの同人誌を考えてみると、1冊あたりの紙は25枚で、それが100冊となると2500枚となり、これはコピー用紙500枚x5束の2500枚と計算があう。

製本サービス

他、面白い情報として、製本サービスの話があった。

セブンイレブンのマルチコピー機はかなり優秀らしいので、コピー本を作ったり、試し刷りをしたりするのに使えるっぽい。

あと、製本直送.comというサービスもあるとのこと。

電書版のみ頒布するという場合も、見本誌があった方がいいので、そういう場合にはこういった製本サービスを使用して見本誌を用意するといいみたい。

なお、紙の本を出版する場合も、「これが見本誌」と分かるようにして見本誌を用意しておいた方が、手にとってもらいやすいみたい。
具体的には、ビニールのカバーなどをかけて「見本」とタグを貼っておくとか。
言われてみればなるほどという感じ。

印刷所とのやりとり

今回、初めてオフセット本を作ろうと思っているので、そこで気になっていたのが、問題なく印刷してもらえるのかどうかということ。
いざ印刷されたものが届いてみたら、思わぬ乱丁があったりレイアウトが崩れたりなんかしていたら、目も当てられない・・・

これに関しては、入稿後に2, 3回くらい印刷所とやりとりすることになるっぽい。
これだと印刷に問題が出そうだけど、大丈夫か、とか。
そういうのがあるなら、安心かな・・・?
もちろん、指摘に対応するだけの余裕を持って入稿する必要があるわけだけど。

ちなみに、依頼しておけば見本誌を送ってもらうとかも可能っぽい。
ただし、これは印刷されたものが送られてくるだけで、それを見て原稿を手直ししたり出来るわけではないようなので、注意。
もし、ちゃんと印刷されるかなどを確認したいなら、前述の製本サービスを使って試し刷りをして、入稿に備える感じになるみたい。

あと、わかめさんが以下のツイートをしていたので、それも参考になりそう:

かんたん後払い

あとは、技術書典特有のものといえば、「かんたん後払い」。

これは、コードを専用アプリで読み取ることで購入手続きを完了させ、あとで支払いを行えるようにする、というサービスなのだけど、サークル参加するとなると、サークル側で何か特別な準備は必要なのかどうかが気になっていた。
例えば、何か特別な機械を用意したりだとか。

結論から言えば、そういった特別な機械とかは必要なくて、規約を読んで申し込みをすればいいだけみたい。
そうすると、当日にコードが印刷された紙が渡されるので、あとはそれを専用アプリで読んでもらえばいいだけっぽい。

ただ、注意点として、現金ほどスループットは出ないという話があった。
なので、お釣りの用意はしっかりとね、とのこと。


ちなみに、作ろうとしている技術書は、以前このブログで書いたポーカーの記事を膨らませたものにしようと思っている。
技術者なら、やっぱりゲームもガチで数理モデルを使って勝ちに行きたいでしょ?w

上の記事で導き出したインプライド・ポットオッズの話は、とても興味深い(そして強化学習のモデルのいい例にもなってる)ものなので、多くの人に知ってもらいたいし、他にもいくつか調べて文章にしたいネタがあるので。

もちろん、ポーカー(テキサスホールデム)やったことないという人も多いと思うので、そこらへんも出来ればカバーする感じで。
(ただ、それで書きたいことが書けなくなったら本末転倒なので、省略するかも)

ポーカーを覚え、数理モデルを駆使して、狙え一攫千金!ってねw

今日はここまで!