いものやま。

雑多な知識の寄せ集め

ボードゲーム「カタン」について語ってみた。

言わずと知れたボードゲームの名作である「カタン」。

自分も「カタン」は仲間内でかなり遊んだけど、好きなゲームの一つ。
他のゲームも遊ぶようになってからはやる機会も減ったけど、昔はホントにこれしかやらなかったし、今でもたまに思い出したようにやりたくなる。

そんな「カタン」について、ちょっと語ってみたい。

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きっかけ

最初に、なんで今更「カタン」について語ろうと思ったのかについて、ちょっと書いておきたいと思う。

きっかけは、次のツイート。

リンク先の記事も読んでみたけど、自分はそこまで高圧的な印象は受けなかった。

もちろん、最初っから何も考えずに「こうしないとダメ」としていたのなら、その対応は悪いものだと思うけど、ちゃんと読めば分かる通り、これは去年の反省を踏まえてのものになっている。

去年の闘会議では、極端に確率が悪い場所に設置したものだけ助言をしていた。その結果、プレイヤーによって初期配置に極端な差が生まれ、トップを妨害する暇もなく30分ほどでゲームが終了してしまうことがたまに見られた。

カタン」には、もちろん、ダイスを振る楽しみ、出てきた資材で島を開拓していく楽しみなどがあって、これらはルールを分かっていれば楽しめるようになってる。
けど、ルールが分かっているだけだと、下手すればゲームに「参加」できない可能性が出てくる。
どういうことかというと、極端に悪い場所に配置してしまうと、いくら待っても資材は出ないし、あるいは開拓するスペースがなくて動けなくなってしまうということが起こる。
こうなると、もうゲーム中に出来ることは(自分は資材がほとんど出ないにも関わらず)ただダイスを振るだけになってしまって、これは全然楽しくない。
ゲームに「プレイヤー」として「参加」できず、ただ「ダイスを振る要員」として「そこにいるだけ」になってしまう。
これでは嫌になってしまう。
(「人狼」でも、似たようなことがある・・・人数合わせで参加させられて、勝手も分からずにあまり喋らないでいたら、「喋らないから」という理由だけで吊るされたりすると、理不尽でしかない。これは、ゲームを「プレイ」しているけれど、ゲームに「参加」できていない)

引用した文では「30ほどでゲームが終了してしまうことがたまに見られた」という文が、「インストしていた筆者が楽しめるレベルのゲームになっていなかった」という意味にも読み取れるけど、そうじゃなくて、「トップのプレイヤー以外はゲームに参加できていなくて、ゲームを楽しめていなかった」という意味なんだと思う。
それを踏まえて、慣れていないプレイヤーもゲームに「参加」できるようにするために、いろいろと手を尽くした、と。

もちろん、さじ加減は難しくて、あまりに助言しまくるのだと「あんたが一人回しすればいいじゃないか」となってしまう。
協力ゲームの奉行問題みたいに。
けど、助言はすれど、強制はしていない(実際、経験があると言っていた親子は自分たちのやりたいようにやっている)ので、ギリギリのラインを保っていたんじゃないかなと思う。

ちなみに、自分はそこまで「親切」じゃないので、他の人があまりよくなさそうな初期配置やプレイをしても、「まぁ、そういう手もあるよね」くらいで、スルーすることが多い(^^;
自分自身、ちょっと変わった手をして楽しんだりすることもあるし、何より、他の人がぬるいプレイをするのは自分にとっては得だから。
本当に相手のことを想うのであれば、ちゃんと教えてあげるべきなんだろうけどね。

カタン」で大切なこと

閑話休題
ここからは、自分が「カタン」をプレイするときに考えていることをつらつらと語っていこうと思う。

カタン」で一番大切なこと、それは、

ダイスの出目の偏りを読むこと。

・・・ゴメンなさい、噓ですw

でも、あながち冗談でもなくて、「ダイスの出目は偏るものだ」ということを肝に銘じておくことは、重要だと思う。

そのうえで必要なのが、「10点を取るイメージ」を作ること。

カタン」の「10点」というのはよく出来たルールで、なかなか取れないようになっている。

都市を4つ作ったとしても8点までしかいかず、あと2点、他に必要になってくる。
開拓地をさらに2つ追加するとか、道賞をとるとか、騎士賞をとるとか、あるいはポイントをとるなどが必要になってくる。
都市の数が少なければ、さらに大変だ。

ということで、都市は最終的に4つ作るものだとしても、追加の2点を何かで得ないといけない。
逆に言えば、都市を4つ持っていたとしても、それ以上発展することが出来ないのであれば、いつまで経っても10点には届かないことになる。
(例えば、周りを完全に囲まれていると、開拓地を追加で作ったり、道賞を取るのは困難になる。その状態で港もなく羊も出ないと、詰みに近い)
なので、「自分がどうやったら10点に届くことが出来るのか」というイメージは、ダイスの出目以前に考えておく必要がある。

都市4つ+開拓地2つで10点を取ろうと思うのなら、開拓地2つを追加で作るスペースを確保する必要がある。
都市4つ+道賞で10点を取ろうと思うのなら、道を引くための資材と、道を引くためのスペースを得られるようにする必要がある。
都市4つ+騎士賞で10点を取ろうと思うのなら、発展カードを引ける資材を得られるようにする必要がある、などなど。

このように、最終的にどのようにして10点を取ろうとするのかによって、とるべき行動は変わってくる。
逆に言えば、最終的に10点に届くイメージがあるなら、どのようなプレイも「あり」ではある。
ダイスの出目は偏るから、勝ちやすさに違いはあっても、どれが正解かは分からない。

ちなみに、都市を1つも作らないで10点をとるのは、かなり難しい。
具体的には、開拓地5つと道賞、騎士賞、さらにポイントを1点、といった具合になる。
もちろん、これは不可能ではなく、こうして10点を取りたい場合、道を伸ばしては開拓地を作り、というのを繰り返すことになる。
鉄がホントに出ない場の場合、有効かもしれない。

都市を優先的に作るか、開拓地を優先的に作るか

カタンの戦略を大きく2つに分けた場合、都市を優先的に作っていく「都市戦略」と、開拓地を優先的に作っていく「開拓地戦略」があると思う。
前者の場合、麦や鉄が出るような配置にする必要があるし、後者の場合、木や土が出るような配置にする必要がある。
ただ、最終的に10点に届くイメージがあるのなら、基本的にはどちらが先でもいいと思う。

ただし、「カタン」は資材が出ないとどうしようもないので、生産力を増やすために、道を作るよりも都市や開拓地を作ることを優先した方がいいというのは事実。
そういう意味で、最初からひたすら道を伸ばし続けて道賞を狙うのは、あまりオススメできない。

最終的には都市4つ(それが無理でも3つか2つ)作ることを考えると、都市を優先的に作るのは悪くなさそうに思える。
けど、都市にも弱点はあって、

  • 出目の偏りに弱い
  • 盗賊で止められやすい
  • スペースがなくなると、追加の2点が取りにくくなる

というのがある。

一方で、開拓地を優先的に作っていく場合、都市の弱点のようなことは起こらない。
ただし、今度は開拓地は5個しかないというのがネックになってくる。
さらに新しい開拓地を作るには、どれかを都市にしないといけなくて、そのためには麦や鉄が必要になってくる。
けど、開拓地を優先して作っていると、鉄が入りにくいことが多い。

なかなか難しいところ。

道をひたすら伸ばすのは悪いのか

ちなみに、「あまりオススメできない」とは書いたけど、道をひたすら伸ばすのも、戦略の一つとしてはありだと思う。
実際、やってみたこともあって、それはそれで楽しい。
確実に道賞は取れるだろうし。
ただし、いろいろと難しい。

道をひたすら伸ばす戦略の場合、木と土が大量に手に入ることと、他のプレイヤーの妨害になっているということが、前提として必要そうに思う。
つまり、他のプレイヤーが開拓地や都市を作るのに必要なスペースを圧倒的な速さで奪うことが出来れば、他のプレイヤーは10点に到達するのが困難になるので、点数の伸びしろのある自分が勝てる、と。
カタン」の陣取りとしての側面を利用するイメージ。

この場合、開拓地の作り方にも注意が必要で、道2つ分しか空けないのだと妨害として弱いので、道3つ分を空けて、使えるスペース自体を減らすというのも必要になってくる。

ただ、3人プレイの場合、そもそも盤面が広いので、あまり有効ではなさそう。
それに、やはり生産力自体の伸びが少ないので、そこまで高速に陣地を取っていけるのかというと、なかなか難しそうに思う。

発展カードをひたすら引くのは悪いのか

道をひらすら伸ばすのがあまりオススメできないのと同じで、発展カードをひたすら引くのも、あまりオススメは出来ないかもしれない。
実際、発展カードだけで得られる点数の上限は、ポイントカードが5枚で5点で、それに、騎士賞の2点を加えても、7点。
最初の開拓地が2点なので、合わせて9点で、10点にはちょっと届かない。

とはいえ、発展カードをひたすら引くのは、道をひたすら伸ばすのに比べればずっと動きやすく、戦略として全然ありだと思う。
というのは、次のようなメリットがあるから:

  • 盗賊をコントロールしやすいので、生産力が下がりにくい
  • 手札をたくさん抱える必要がないので、バーストに強い
  • 独占や収穫を使えば、開拓地や都市を作りやすい
  • 使われていないカードが他のプレイヤーへのプレッシャーになる

もちろん、基本的には開拓地(や都市)を作って生産力を増やさないと、発展カードもあまり引けないのだけど、都市が作れるようになるのを待つかわりに発展カードを引くというのは、十分にありだと思う。

最後に

結局のところ、10点に届くイメージを作れるかどうかが、重要だということ。
そのイメージさえ作れれば、おのずとやるべきことは決まってくるから。
(もっとも、そのイメージを作るのが難しく、「経験」を必要とするわけだけども)

――忘れるな。
イメージするのは常に最強の自分だ。
外敵など要らぬ。
おまえにとって戦う相手とは、自身のイメージに他ならない。
(『Fate/stay night』アーチャーのセリフより)

今日はここまで!